2013 Fiscal Year Annual Research Report
安全な脳梗塞治療法の開発:スタフィロキナーゼの応用
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23592082
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
嶋村 則人 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40312491)
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Keywords | スタフィロキナーゼ / 心原性脳塞栓症 / 脳梗塞 / ラット |
Research Abstract |
ヒト心原性脳塞栓症と同じ病態のラット脳塞栓症モデルを新規に確立させ、Shimamura N, et al. Transl Stroke Res 2013;4:564-70として発表した。本モデル(定量的自己血血栓を用いたラット脳塞栓モデル)を用いて、スタフィロキナーゼ(SAK)の効果について検討した。雄SDラット内頸動脈に自己動脈血血栓7.2 mm立方を挿入し、脳塞栓症モデルを作成した。30分後にPBS、t-PA(600μg/kg)またはSAK(200μg/kg)を経静脈的に投与し、24時間後に神経学的評価および脳梗塞体積を評価した。各群2頭は血管内血栓を観察するため、灌流固定を行った。Χ2検定にて統計学的検討を行った。PBS群1頭が広範な脳梗塞のため、t-PA治療群の2頭が呼吸器障害のために24時間以内に死亡した。PBS群では内頸動脈、後大脳動脈、中大脳動脈内に血栓を認めた。治療群では内頸動脈に僅かに血栓を認めるのみであった。 出血性梗塞はPBS群2例、SAK群1例、t-PA群2例であった。基底核梗塞体積は3群間で有意差を認めなかった。平均の大脳皮質梗塞体積はPBS群256mm立方、SAK群132 mm立方、t-PA群112 mm立方で有意差を認めた。平均の神経学的評価はPBS群9.2、SAK群7.7、t-PA群6.1で有意差を認めた。SAKはt-PAに比べて、出血性梗塞および呼吸器障害が少なかった。SAK治療は皮質梗塞体積の軽減および神経機能温存について、コントロール群よりも有効であった。ただし、その効用は、t-PAに及ばなかった。
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Research Products
(7 results)