2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23592101
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
鰐渕 昌彦 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (30343388)
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Keywords | 幹細胞 |
Research Abstract |
骨髄間葉系幹細胞は、再生医療のドナー細胞として、注目されている。当該施設では、既に脳梗塞患者に対してMSCを静脈内に移植する臨床研究を行い、良好な結果が得られたことを踏まえて、医師主導治験を開始している。 初年度は研究のベースとなるヒト間葉系幹細胞(hMSC)の細胞性免疫と液性免疫の基礎データを解析した.細胞性免疫に関しては,細胞表面分子について DNAレベルと実際に発現している分子の両面から,液性免疫に関しては,サイトカインの発現につき検討した.まずは未刺激時における細胞の状態を把握する ため,通常培養条件下でのhMSCを使用した.hMSCは購入したcell lineを用いると同時に,実際に血液からhMSCを単離培養し解析に使用した.1)細胞性免疫の解析:はじめに,DNA arrayにより細胞表面分子のDNA解析を施行した.今まで言われてきたような細胞表面分子とは解析結果に解離があったため,次いでFACSにより表面 分子の発現解析を行った.主要組織適合遣伝子複合体や抗原提示能を有するCD分子の発現をスクリーニング的に精査したところ,やはりDNAレベルで存在し ていても,細胞表面抗原としては発現されていないものも存在した.cell lineと単離したhMSCとの比較では,表面抗原の発現は同様であった.DNA array, FACSにより解析した細胞表面抗原の発現パターンからは,hMSCは未分化であり,未刺激時には抗原提示能に乏しいことが判明した.2)液性免疫の解 析:hMSCの培養上清をbeads assayした.サイトカインの発現を調べたところ,炎症性サイトカインが放出されていることを確認した.サイトカインの放出パターンはcell line, 単離したhMSCともに同様であった. 本年度は、MSCをラット脳に移植し、生着率、拒絶反応などを行動学的および免疫組織学的に解析して、一定の結果を得た。 以上のように、補助金は補助条件に従って、有効に使用されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本申請では、骨髄間葉系幹細胞の表面分子やシグナル伝達にかかわる分子を、DNAマイクロアレイ、フローサイトメーター、リアルタイムPCR、免疫染色等を用いて解析し、その後、in vivo モデルにおける移植前後での変化を、比較解析することを主な目的としており、これまでに骨髄間葉系幹細胞の細胞膜表面にある接着分子に着目して、移植免疫の機序解析を行ってきた。 本年度は、骨髄間葉系幹細胞をラット脳に移植し、生着率、拒絶反応などを行動学的および免疫組織学的に解析して、一定の結果を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、骨髄間葉系幹細胞をラット脳に移植し、生着率、拒絶反応などを行動学的および免疫組織学的に解析して、一定の結果を得たので、継続して、研究を推進する予定である。次年度は、これまでに行った予定された実験で得られた結果より、骨髄間葉系幹細胞の移植免疫および、発現分子に関して、興味深い知見が得られたことから、研究の目標に含まれている表面抗原の基礎解析や種々のサイトカイン量の解析に加え、骨髄間葉系幹細胞の脳梗塞モデルに対するin vivoの移植実験などを継続する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究は、神経疾患に対する細胞移植療法の際、骨髄間葉系幹細胞をドナー細胞としたときに生じる移植免疫を骨髄幹細胞の細胞膜表面に発現する接着分子に着目して、メカニズムを解析し、新しい治療法の開発を目指すものである。 現在までに、予定した目標は順調に達成してきた。予定した実験は、in vitroの実験が主であったが、使用した消耗品の価格が想定していたより、安価に入手できたこともあり、未使用額が発生した。 次年度は、これまでに行った予定された実験で得られた結果より、骨髄間葉系幹細胞の移植免疫および、発現分子に関して、興味深い知見が得られたことから、研究の目標に含まれている表面抗原の基礎解析や種々のサイトカイン量の解析に加え、骨髄間葉系幹細胞の脳梗塞モデルに対するin vivoの移植実験などを継続するために必要な消耗品類を購入するために未使用額を使用する予定である。
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[Journal Article] Bilateral cortical hyperactivity detected by fMRI associates with improved motor function following intravenous infusion of mesenchymal stem cells in a rat stroke model.2013
Author(s)
Suzuki J, Sasaki M, Harada K, Bando M, Kataoka Y, Onodera R, Mikami T, Wanibuchi M, Mikuni N, Kocsis JD, Honmou O.
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Journal Title
Brain Res
Volume: 1497
Pages: 15-22
DOI
Peer Reviewed