2012 Fiscal Year Research-status Report
BMPシグナル伝達系へのカテコラミンの促進効果(運動による骨形成促進メカニズム)
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23592227
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
鈴木 亨暢 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 病院講師 (00445016)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高岡 邦夫 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 名誉教授 (30112048)
橋本 祐介 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (10382178)
上村 卓也 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 後期研究医 (10597321)
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Keywords | 骨形成蛋白(BMP) / カテコラミン / 骨形成 |
Research Abstract |
我々はこれまでに培養骨芽細胞において、カテコラミンが骨形成蛋白(BMP)のもつ骨芽細胞分化促進作用をさらに増強させることを発見した。昨年度の研究で、カテコラミンによるBMPの骨芽細胞分化促進作用の増強効果は、アドレナリンβ2受容体及びPKA系経路を介して作用していることが明らかとなった。 そこで本年度はカテコラミンによるBMPの効果促進のメカニズムについて、転写因子レベルでの解明を行った。Id1 geneのpromoter plasmidからBRE配列(BMP系)とCRE配列(cAMP系)を単独もしくは双方に変異導入した4種のId1 promoterを作製し、MC3T3-E1、ST細胞にplasmidをトランスフェクションした。カテコラミンをrhBMP2と共投与し、ルシフェラーゼによるId1 promoterレポーターアッセイにて評価した。CRE配列を変異したID1 promoterのレポーターアッセイでは、BMPによるID1 レポーターアッセイの上昇を、カテコラミンの共投与によってさらに上昇させることはできなかった。以上から、カテコラミンによるBMPの骨芽細胞分化促進作用の増強効果は、cAMP/CRE signalingが関与していることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した研究目的について、当初予定していた研究は問題なく遂行され、それに伴う研究結果もおおむね達成されている。
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Strategy for Future Research Activity |
我々はこれまでに、BMPを非常に効率よく徐放させうる担体ポリマー(polylactic acid-polyethylene block co-polymer)を用いてマウスの筋膜下に新生異所性骨を作成するin vivoモデルを発展させてきた。BMP含有ポリマーを背筋筋膜下に埋植したマウスにカテコラミンを全身投与し、血中のカテコラミン濃度を上昇させた場合で、BMP単独(コントロール群)とカテコラミン皮下注群で新生異所性骨を比較する。皮下注で全身投与するカテコラミンは、エピネフリン、ノルエピネフリン、ドパミンとし、各種濃度で間欠的投与(2回/日または3回/日)を行い、血中カテコラミン濃度の変動を継時的に測定する。カテコラミンの種類・濃度・投与間隔を変えた場合のカテコラミン濃度の変動差についても比較検討を行う。次に新生異所性骨のレントゲン評価と骨量測定を行い、コントロール群と各種カテコラミン皮下注群で比較する。新生異所性骨について組織学的評価も行い、骨形成・骨吸収の程度を判定する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
この研究は動物実験によって成り立っているため、動物(マウス)、動物実験・手術操作のための器具・備品、薬剤、実験試薬は必要不可欠である。また細胞培養実験においても、細胞培養関連器具、実験試薬は必要不可欠である。
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