2013 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト分離滑膜細胞と細切軟骨片を用いた一期的自家軟骨移植用インプラントの作製
Project/Area Number |
23592235
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
中川 晃一 東邦大学, 医学部, 教授 (30400823)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 保親 東邦大学, 医学部, 准教授 (70584001)
中島 新 東邦大学, 医学部, 准教授 (60583995)
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Keywords | 軟骨再生 / 滑膜細胞 |
Research Abstract |
患者からの同意を得て、滑膜、軟骨、血液(50cc)を採取、抵凝固剤であるクエン酸入りの注射筒を使用して採血し、遠心により血漿成分を調整した。血漿を用いて分離滑膜細胞の浮遊液を作製後、トロンビンにてフィブリンゲル化させ、このゲル100μlに対して2mm角の細切軟骨片3つをおいてインプラントを作製した。平成23,24年度行ったヒト細胞に至適な細胞密度の検討結果から、滑膜細胞の細胞密度は 4 million/mlとして、インプラントの作製を行った。 これらをヌードマウス(Athymic mice, nu/nu)の皮下に移植し、8週間埋め込んだ。実験群は、ゲル担体のみの群、滑膜細胞のみ含有群、細切軟骨片のみ含有群、滑膜細胞および細切軟骨片含有群、滑膜細胞およびfreeze & sawを行った細切軟骨片を含有群の5群とした。移植後2週、4週、8週で摘出し、軟骨分化の評価を行った。 組織学的検討をトルイジンブルー、サフラニン-O による染色で、生化学的検討をプロテオグリカン(PG)含有量測定(DMMB法)で行なったところ、共培養群で軟骨分化が促進する傾向がみられました。蛍光顕微鏡による観察では、PKH26で標識された滑膜細胞が軟骨様細胞へ分化していることが確認された。 また、専用遠心器(DePuy社製SYMPHONYTM)を用いて、血液からPlatelet-rich plasma(PRP)を精製し、PRPゲルを用いた場合の軟骨分化促進効果につき検討を行ったが、明らかな有意差は認められなかった。さらにゲルの強度を高める目的で、すでに軟骨移植への応用が報告されているフィブロイン(前年度の予備実験で確認)を担体として用いる方法も試みたが、フィブロイン内においても滑膜細胞の軟骨分化傾向が認められた。
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Research Products
(10 results)