2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23592251
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
西脇 公俊 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10189326)
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Keywords | 細胞透過性 / 肺動脈血管内皮細胞 / 神経ペプチドY / 麻酔薬 |
Research Abstract |
昨年度に確立したヒト肺動脈内皮細胞(HPAEC)を用いたin vitro血管内皮モデルを用い、Neuropeptide Y(NPY)の細胞レベルでの血管内皮細胞透過性亢進作用の検討を行った。NPY単独の作用については、幅広い濃度範囲(10-11~10-7 M)および幅広い反応時間(0.5~24時間)で試験を行ったが、NPYはいずれの濃度および反応時間においても有意な細胞透過性亢進作用を示さなかった。また、低酸素(5%酸素濃度)条件下においても検討を行なったが、NPYの有意な効果は観察されなかった。さらに、NPYが交感神経終末でカテコールアミンのコトランスミッターとして作用することから、ヒト血中濃度レベルのノルエピネフリン(NE、1 x 10-6 M)存在下でNPYの細胞透過性亢進作用の有無を検討した。その結果、NEは単独で有意な作用を示すことはなかった。また、1 x 10-7 M のNPYはNE共存下においても有意な作用を示さなかった。5%酸素濃度条件下でも同様であった。NPYの作用点と考えられていたNPY-Y3受容体蛋白は、ウェスタンブロッティング法によりHPAECの細胞溶解物で検出されたが、検討したいずれの条件においてもNPYによる細胞透過性亢進作用が観察されなかったことから、NPYの作用点は肺動脈内皮細胞ではないことが示唆された。 次に、同じ細胞モデルを用いて、メカニズムの異なる麻酔薬の細胞透過性亢進作用の有無を検討した。今回試験したフェンタニル、ミダゾラム、ケタミン、プロポフォール、ロピバカインは、臨床有効血中濃度で添加し、反応時間は最大8時間まで検討したが、全てにおいて有意な細胞透過性亢進作用は認められなかった。また、吸入麻酔薬のIsoflurane(2%)およびSevofulurane(3%)の8時間暴露に対しても有意な細胞透過性亢進作用は確認できなかった。
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Research Products
(3 results)