2014 Fiscal Year Annual Research Report
低酸素傷害に対する麻酔薬の神経保護―バイオイメージングによる残存神経細胞の解析
Project/Area Number |
23592253
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
澁田 達史 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20324767)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上林 卓彦 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (10273640)
宮本 善一 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立母子保健総合医療センター(研究所), その他部局等, その他 (70278844) [Withdrawn]
小阪 淳 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 教授 (40243216)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 培養神経細胞 / チオペンタール / グルタミン / カルシウムイメージング / GABA |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は ラット初代培養神経細胞におけるチオペンタール暴露はグルタミン反応性に影響を与えるかをカルシウムイメージングを用いた研究にて調べた。動物実験において発達中の脳では麻酔薬投与がアポトーシスの増加や樹状突起の形態変化を引き起こすことが報告されている。以前の我々の研究ではNMDA拮抗薬であるケタミンを胎生17日目の培養大脳皮質細胞に暴露した場合、13-14日後にグルタミン酸を暴露すると細胞内カルシウムの有意な上昇が見られた。しかしながら、GABAA作動薬であるチオペンタール(TPS)ではどのような反応を示すか不明である。 妊娠17日目のウイスターラットより胎児脳を取り出し、大脳皮質神経細胞の初代培養を行った。培養直後から72時間、培養液中にTPSを1-100 mMにて暴露した。対照群にはTPSを含まない同量のdistilled waterを投与した。培養13または14日目にFluo-4AMを神経細胞に投与しインキュベートを行った後に、NBSに溶解した1 mMのグルタミン酸を暴露しカルシウムイメージング法にてFmax/Fo値を測定比較した。 TPSを暴露しなかった培養神経細胞におけるFmax/F0値を基準値=1.0とした場合、TPSを1, 10, 100 mM暴露した群ではそれぞれFmax/F0 Ratioはそれぞれ0.889(0.051), 1.051(0.068), 0.894(0.161): means(SEM)であった。 胎生17日目のラット神経培養細胞に臨床使用濃度TPSを暴露した場合、初代培養13-14日後のグルタミン酸暴露に対するカルシウムイメージングでの反応性には有意差がみとめられなかった。胎生期のTPS暴露が、その後のグルタミン酸負荷に対して反応が増強したことを示唆する所見は見られなかった。
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