2013 Fiscal Year Annual Research Report
急性肝炎時におけるビタミンE誘導体ETS-GS投与の改善効果の検討
Project/Area Number |
23592260
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
新宮 千尋 大分大学, 医学部, 准教授 (30295191)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 隆之 大分大学, 医学部, 教授 (90156183)
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Keywords | 急性肝障害 / 新規ビタミンE誘導体 / 臓器障害 / 肝機能異常 / 新規治療薬開発 |
Research Abstract |
急性肝障害は、集中治療領域において治療に難渋する疾患の一つである。急性肝障害を発症した場合には、有効な治療法は少なく死亡に至る症例も少なくない。急性肝障害におけるメカニズムは現在様々な角度から検討が行われており、その複雑な病態の解明が試みられている。その中で、重要な機序として酸化ストレスの関与が示唆されている。過剰な酸化ストレスの発生は、細胞障害につながり、上手にこの酸化ストレスをコントロールできれば臓器障害を軽減できる可能性が示唆されている。 抗酸化剤に着目した治療薬の研究は、従来より行われている。しかし従来の抗酸化薬は、生体内での安定性やその強さに問題がある物質が多く、臨床応用まで至っていない。そこで今回我々は、抗酸化物質の一つであるビタミンEに着目した。このビタミンEは抗酸化能を有していることが知られており、この効果をより強力かつ安定に発揮させるためにグルタチオンを化学的に結合した物質ETS-GSを新たに合成した。今回の研究では、この酸化ストレスに着目し急性肝障害時における酸化ストレスの制御を目的にETS-GSを用いてラットアセトアミノフェン誘発急性肝障害モデルを用いて実験を行っている。本年度は最終年度であり、今まで行ってきた本研究の仕上げとして、ラットアセトアミノフェン誘発急性肝障害モデルでの、新規ビタミンE誘導体であるETS-GSの有効性を検討するとともにそのメカニズムや基礎となる安全性の検討をおこなった。
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