2012 Fiscal Year Research-status Report
オンデマンド・バーチャルリアリティ鏡治療の難治性疼痛治療への応用
Project/Area Number |
23592290
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
佐藤 健治 岡山大学, 大学病院, 准教授 (70359884)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五福 明夫 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (20170475)
西江 宏行 岡山大学, 大学病院, 助教 (20379788)
賀来 隆治 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (50444659)
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Keywords | 認知科学 / バーチャルリアリティ / 医療・福祉 |
Research Abstract |
我々はバーチャルリアリティ(VR)を応用した鏡治療を平成17/18年度科学研究費(萌芽研究)で開発し、難治性疼痛患者での鎮痛効果を確認した。当該研究は、難治性疼痛患者が世界中から我々のバーチャルリアリティ鏡治療(VRMVF)にインターネットを介してアクセスし鎮痛を得るものである。研究初年度の23年度は、①「患者が遠隔地から入力するツールとしてのインターフェース開発」、②「世界中からの双方向型のアプリケーションも処理可能なサーバ開発」、③「膨大な患者データを解析するプログラム開発」を柱としていたが、①と③の進捗が遅れていた。24年度はまず23年度の未実施部分の完成を急いだ。①では既に世界中で広く普及しているマイクロソフト社のキネクト(Kinect)を応用したシステムを完成させた。モーションキャプチャー手段として既に技術的信頼性が確立し、また世界中で購入が可能な器機をシステムに組み込むことで、当該研究の最終的な目標である世界中からの治療参画の実現性が高まった。インターネットによるアクセスに関しては、VRMVF治療システムが固定設置されている岡山大学病院から当該研究分担者の一人である五福の研究室(岡山大学工学部)へインターネット回線を介してデータの送信・受信の実証実験を行い、システムが実働することを確認した。平成24年度以降はオンデマンド・VR鏡治療の供用を開始し、蓄積されたデータをもとに臨床的な治療効果の解析、統計学的検証による難治性疼痛患者の特に運動に関連した特徴的障害パターンを解析し、fMRIなど機能的脳画像診断法を用いて関連を検証する計画であり、まず24年度はオンデマンド・VR鏡治療の供用を開始した。岡山大学病院で治療を受ける患者の自宅と兵庫県姫路市の医療施設へシステムを設置し、データの蒐集を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
24年度の研究目的の達成度は③やや遅れていると自己評価する。理由としては、平成24年度以降はオンデマンド・VR鏡治療の供用を開始し、蓄積されたデータをもとに臨床的な治療効果の解析、統計学的検証による難治性疼痛患者の特に運動に関連した特徴的障害パターンを解析し、fMRIなど機能的脳画像診断法を用いて関連を検証する計画であったが、平成23年度の未実施分である「患者が遠隔地から入力するツールとしてのインターフェース開発」をまず完成させる必要があった。そのため患者へのオンデマンド・VR鏡治療の供用時期がずれ込むこととなり、臨床治療データの蒐集が遅れる結果となった。特に難治性疼痛患者に特徴的な運動機能の障害パターンの解析が進まず、fMRIなど機能的脳画像診断法による解析計画の遅延に繋がっている。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度は研究計画の進捗度の遅延を修正し計画通りの研究達成に努める。そのためにはオンデマンド・VR鏡治療への参加する難治性疼痛患者を広く募る。24年度には岡山大学病院ペインセンターと連携している施設へシステムを設置しており、更に多くの施設へ参加を募る。そして最終的なシステム運用形態である個人レベルでの治療とデータの蒐集を推進する予定である。患者データの蒐集後には25年度の研究の柱となる患者データ解析を行い、オンデマンド・VR鏡治療の臨床的治療効果の解析を行う。また難治性疼痛患者の運動に関連した特徴的障害パターンが解析できれば、fMRIなど機能的脳画像診断法を用いて関連脳部位を検証する。25年度後半にはオンデマンド・VR鏡治療オンデマンド・VR鏡治療について、学会・研究会などで報告を目指す。 24年度初頭に予定していた患者へのオンデマンド・VR鏡治療の供用時期がずれ込むこととなり、臨床治療データの蒐集が遅れた。そのためデータ解析や解析結果を前提とした難治性疼痛患者に特徴的な運動機能の障害パターンのfMRIなど機能的脳画像診断などに予定していた予算執行が遅延している。そのため次年度への予算の繰越が発生した。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
25年度に繰り越した研究費はその目的どおり25年度に使用する。 オンデマンド・VR鏡治療の臨床的治療効果の解析を行う。また難治性疼痛患者の運動に関連した特徴的障害パターンが解析できれば、fMRIなど機能的脳画像診断法を用いて関連脳部位を検証するために研究費を使用する。研究成果の学会・研究会での報告および論文化に研究費の使用を予定する。
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Research Products
(3 results)