2011 Fiscal Year Research-status Report
ノスカピン誘導体EM011の腎細胞癌に対する抗腫瘍効果及びそのメカニズムの検討
Project/Area Number |
23592327
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
宮城 徹 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (60467107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溝上 敦 金沢大学, 大学病院, 講師 (50248580)
小中 弘之 金沢大学, 大学病院, 講師 (40334768)
重原 一慶 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (20595459)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | ノスカピン / 腎癌 / 前立腺癌 |
Research Abstract |
まず、細胞測定系の確立であるが、我々は腎癌細胞株ACHNを使用して、ノスカピンの抗腫瘍効果の確認を行ってみた。当初は簡便な測定系を予定しておりWST-1アッセイやMTTアッセイなどの吸光度測定による計測を試みていたが、ノスカピン、EM011を使用した場合には、吸光度による測定系は(測定しえた限りでは)実際の細胞数カウントをおこなった場合と、同じ結果とならず、明らかに誤差が生じる結果となっていた。そのため簡便な方法とは言えないが、実際に細胞のカウントを行い、抗腫瘍効果を判定することが最も確実であると判断した。 動物実験系では手技の確立も狙いノスカピンとEM011の毒性を確認することから始めた。まずマウスに経口でノスカピンとEM011を溶解させた水(蒸留水)をゾンデを使用して摂取させる方法を試みた。投与は可能であったが、投与後に突然呼吸困難となり死亡するマウスが確認された。誤嚥による呼吸困難の可能性があると考えているが、明らかに投与後体重減少を起こし痩せ衰えていくマウスも認めたがおそらく投与時に消化管穿孔したものと思われた。その他のマウスは4周齢での購入時以降順調に体重も増加しており、明らかな毒性はないものと判断された。一部のマウスでは器官をH/E染色して臓器障害の有無について調べてみたが明らかな臓器障害は確認されなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
in vitro 、in vivoともに手技上の問題と思われるが、想定外のことが少なからず起こっているものの、おおむね研究の続行には支障がないと考えられる。ただし、in vitroではより効率の良い測定系の模索が必要であると考えている。マウス実験では腹腔内投与法に切り替えたほうがよいのかもしれないと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの結果から、in vitroでは効率の良い方法がないか試行錯誤を続ける必要がある。また、動物実験系では死亡するマウスが出てしまうので、さらに投与量を減らしていけるのかどうか、また、腹腔内投与が可能なのかどうかを試してみたい。 並行して作用のメカニズムについても計画に沿って研究を進めていきたいと考えている。腎細胞癌細胞株のほかにほかのホルモン耐性前立腺癌細胞株に対する作用も確認していきたい。とりわけタキソテールに耐性となった前立腺癌細胞株に対する作用は臨床応用できると思われ、ホルモン非依存性となった前立腺細株からタキソテール細胞株を樹立させ、タキソテール耐性株にノスカピンの効果が期待できるのかどうかをぜひ検討していきたいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度は、ノスカピンによる in vitroでの増殖阻害実験が比較的スムーズにいったため、試薬瓶を使用する頻度が少なくて済み、研究費が節約できたものと考えている。翌年度は、引き続き細胞の計測方法について有効な方法がないか検討してみるため試薬を追加購入するので、これに残額を当てたいと考えている。マウスの腹腔内投与による副作用確認も必要と考えられるので、動物実験も再試が必要でありマウスも追加購入を予定する。腎細胞癌細胞株のほかにほかのホルモン耐性前立腺癌細胞株を購入し、タキソテール添加培地内で長期培養を試みていくため、新たにタキソテールおよび前立腺癌細胞株なども入手していきたいと考えている。
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