2012 Fiscal Year Research-status Report
ノスカピン誘導体EM011の腎細胞癌に対する抗腫瘍効果及びそのメカニズムの検討
Project/Area Number |
23592327
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
宮城 徹 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (60467107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溝上 敦 金沢大学, 附属病院, 講師 (50248580)
小中 弘之 金沢大学, 附属病院, 講師 (40334768)
重原 一慶 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (20595459)
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Keywords | ノスカピン / 前立腺癌 / ドセタキセル耐性 |
Research Abstract |
H24年度は、H23年度に引き続いてノスカピンが前立腺癌細胞の増殖を抑制することを確認した。in vivoにおいてはSCID mouseの皮下に移植したアンドロゲン非依存性前立腺癌細胞株PC-3とDU145に対して、強制経口法により、マウスに対して体重減少などの毒性のない濃度でノスカピンを投与して、抗腫瘍効果を発揮することを確認した。また腎癌細胞株をSCID mouseの皮下に移植し、強制経口法によりノスカピンを投与して、抗腫瘍効果を確認した。次に、アンドロゲン非依存性前立腺癌細胞株PC-3とDU145を用いて、よりドセタキセル耐性株の樹立を試み、その耐性株を用いてノスカピンの抗腫瘍効果を試みる予定であった。まず、ドセタキセルのIC50の濃度で細胞を培養し、その濃度にて2週間耐え、増殖するようになった細胞を回収。さらにその細胞でIC50を決定して、その濃度で増殖するようになった細胞を回収していった。 このようにして徐々にドセタキセルの濃度を上げていき、耐性株が樹立できる予定であったが、2回IC50を決定したところで細胞増殖が停止して、ドセタキセル耐性株の樹立に手間取り、最終的には樹立に失敗した。このため、以前当教室で樹立していたパクリタキセル耐性前立腺癌細胞株に対して、ノスカピンがどのように抗腫瘍効果を持つのかを研究した。ノスカピンは親株と同様にドセタキセル耐性株に対してもin vitroにおいて抗腫瘍効果を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ドセタキセル耐性前立腺癌細胞株の樹立に手間取り、手法を変えたが、最終的に作成できなかった。このため、ノスカピンの抗腫瘍効果を確認できなかった。次にパクリタキセル耐性細胞株で研究を行った。また、臨床が忙しかったために、十分な研究ができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
ノスカピンは親株と同様に抗腫瘍効果を発揮した。パクリタキセル耐性前立腺癌株は薬剤耐性因子MDR-1を高発現しているため、ノスカピンがその発現を変化させるかを調べていく予定である。さらにノスカピンがどのようにパクリタキセル細胞株に対して抗腫瘍効果を示すか、様々な薬剤耐性因子の発現、機能を調べる予定である。また前立腺癌細胞株、腎癌細胞株にノスカピンを投与し、細胞の遊走能、浸潤能にも影響を及ぼすか明らかにしていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
in vitroでの培養細胞の維持、管理に研究費を継続して使用し、遊走能、浸潤能を調べるためのキット、 in vivoの研究のためにSCIDマウスの購入に使用する予定である。
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