2012 Fiscal Year Research-status Report
精巣腫瘍における癌精巣抗原の発現パターンの解析とその予後予測への応用
Project/Area Number |
23592346
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
中村 晃和 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10381964)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三木 恒治 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10243239)
河内 明宏 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90240952)
三神 一哉 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10291585)
本郷 文弥 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80291798)
上田 崇 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50601598)
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Keywords | 癌精巣抗原 / 精巣腫瘍 / Multiplex qPCR / 前立腺癌 |
Research Abstract |
本研究の目的は癌精巣抗原(cancer/testis antigens(CTAs))の発現パターンを解析することにより、精巣腫瘍の予後および化学療法の感受性が予測可能であるかを検討することである。昨年度は、選択した9種類のCTAsが前立腺癌において、その進展を予測するpotentialを有する可能性を確認できた。 昨年度の問題点として、固定後数年を経過した精巣腫瘍のホルマリン固定・パラフィン包埋組織切片より抽出したRNAのqualityにサンプル間でのばらつきが大きいことがあった。そのため、本年度はまず凍結組織を用いた検討を行った。 Multiplex real-time quantitative polymerase chain reaction (multiplex qPCR) 法により精巣腫瘍凍結組織において選択したCTAsのシグナルを検出することができた。しかしながら、症例数が少なく予後および化学療法の感受性が予測可能であるかを判断することは困難であった。これは、当院が難治性精巣腫瘍症例の経験が豊富なため、他院ですでに高位精巣摘出術および多数回の化学療法を施行された後の再発症例が非常に多いためであると考えられる。 一方で、ホルマリン固定、パラフィン包埋組織切片より抽出するRNAのqualityを上げるため、種々のkitに対して、プロコール中の様々なstep(温度や時間など)に対して、色々な条件を検討したが、現時点では良い抽出条件を見出すには至っていない。 以上の結果より、昨年度に前立腺癌症例を用いてその妥当性が示された9種類のCTAsは凍結精巣腫瘍組織においてもシグナルを検出することができ、これらのCTAsの発現を精巣腫瘍組織において検討することの妥当性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
固定後数年を経過した精巣腫瘍のホルマリン固定、パラフィン包埋組織切片より抽出したRNAのqualityが予想以上にばらつきが大きく、現時点で理想的な抽出条件を確定するに至っていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、精巣腫瘍のホルマリン固定・パラフィン包埋組織切片より抽出するRNAのqualityを上げるため、プロコール中の様々なstep(温度や時間など)に対して、種々の条件を検討する。また他の既存の商用化されたkitについても比較検討を加える。凍結組織を用いた検討によりmultiplex qPCRの施行、および選択したCTAsに関しては問題ないと考えられるため、最適なRNA抽出の条件を見出すことを最優先課題とする。 種々の条件検討後も問題が解決できない場合は、他のより感度の高い検出方法(nCounter Analysis System, NanoString Technologies, WA, USA)への変更も含めて検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
商用化されたRNA抽出kitの購入、multiplex qPCRを施行するための試薬の購入(プライマー、プローブ等)、およびさらなる候補遺伝子の探索を行うためのcDNAマイクロアレイに研究費を割り当てる予定である。また他の検出方法(nCounter Analysis System, NanoString Technologies, WA, USA)へ変更する場合は、必要なプローブセットの購入およびアッセイの依頼に研究費を用いる予定である。
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