2011 Fiscal Year Research-status Report
尿路上皮癌に対する免疫抑制物質IDOを用いた新規免疫療法の開発
Project/Area Number |
23592347
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
原 勲 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (10263378)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井箟 一彦 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (60303640)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 泌尿器科悪性腫瘍 / 免疫寛容 |
Research Abstract |
進行性尿路上皮癌の経尿道的膀胱腫瘍切除術時のパラフィンブロック標本を用いてIDOの発現を免疫組織学的手法により調べた。IDOに対する抗体は研究分担者である産婦人科の井箟教授を通じて国立長寿医療センターの滝川修博士より供与していただいた。40検体に関し免疫組織学的検討を行ったが、有意な発現は残念ながら認められなかった。さらにBCG療法を施行した筋層非浸潤性膀胱腫瘍患者の経尿道的膀胱腫瘍切除術時のパラフィンブロック標本30例を用いてIDOの発現を同様に調べたが、筋層浸潤性膀胱癌検体同様明らかな発現は認められなかった。以上の観点より尿路上皮癌においてIDOの発現は認められず、今後のさらなる検討は難しいと思われた。研究の対象を他の泌尿器科悪性腫瘍に変更して検討を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初、筋層浸潤性膀胱癌および筋層非浸潤性膀胱癌でBCG膀胱内注入療法を施行した検体を利用して免疫組織学的にIDOの発現を調べる予定であったが、双方合わせて70検体に対し免疫組織染色を施行するも明らかな発現を認めなかった。尿路上皮癌においてはIDOの意義は乏しいと判断し、現在他の泌尿器科悪性腫瘍(腎癌および前立腺癌)での発現を調べているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
IDOはもともと子宮体癌や卵巣癌において検討されてきた経緯がある。免疫療法が奏効しやすい観点から尿路上皮癌を選択し、その発現について免疫組織学的検討を加えてきたものの多数例につき検討した結果尿路上皮癌においてIDOの発現は残念ながら認められなかった。以上の経緯を踏まえて今後は泌尿器科悪性腫瘍の中でも腺癌(腎細胞癌および前立腺癌)での発現に関して免疫組織学的検討を加えるつもりである。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当科において腎細胞癌に対し根治的腎摘除術を施行し、予後に関する臨床データが入手可能である50症例に関しIDOに関する免疫組織学的検討を加える予定である。過去に腎細胞癌に対しIDOの発現を調べた論文が1つだけ認められる。それによれば腎細胞癌自体はIDOを発現していなかったが、腫瘍血管においてIDO陽性のものと陰性のものが認められ、予後との相関が認められたとの報告であった。同様のことが認められるか否かにつきまず免疫組織学的検討を行う予定である。さらに腺癌である前立腺癌に関しても同様な検討を加える予定である。培養細胞を用いた実験に関しては臨床検体で発現の認められた腫瘍において、まずIDOの発現を確認し遺伝子導入により発現を強制的に変化させることによりその生物学的特性がどのように変化するか検討する予定である。
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