2013 Fiscal Year Annual Research Report
妊娠高血圧症候群に伴う蛋白尿発症に関わるマイクロRNAの同定と機能解析
Project/Area Number |
23592419
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
石橋 宰 大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 准教授 (70293214)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀧澤 俊広 日本医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90271220)
竹下 俊行 日本医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60188175)
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Keywords | 妊娠高血圧症候群 / ポドサイト / マイクロRNA / RNA-seq / 次世代シーケンス |
Research Abstract |
本研究では、妊娠高血圧症候群(pregnancy-induced hypertension; 以下PIH)に伴う蛋白尿発症メカニズムの解明の一環として、血液中蛋白質の最終的濾過障壁として機能する腎糸球体ポドサイトにおけるマイクロRNA(miRNA)に着目している。本年度は、ポドサイトをエンドセリンで処理した際に発現制御を受けるmiRNAと遺伝子(miRNA以外の非コードRNAを含む)の網羅的発現解析を目標とした。 Katsuyaらの方法(Kidney Int. 69, 2101-6; 2006)に基づき分離したラットの初代培養ポドサイトについて、ポドサイト特異的マーカーであるpodocinおよびnephrinの遺伝子発現をリアルタイムPCRで解析したところ、いずれについても十分な発現が確認された。また、免疫染色法により、podocin、および他のポドサイトマーカーであるWT1について、それぞれの蛋白質の本細胞における発現と局在を確認した。以上より、本細胞はポドサイトの特徴を有していることが明らかとなった。 PIHに伴う蛋白尿発症メカニズムとして、エンドセリン(ET)によるポドサイト障害が示唆されている。そこで、本細胞をET-1存在下で24hおよび48h培養し、RNAを抽出した。次に、ポドサイト障害時にmatrix-metalloprotein9(MMP-9)の発現が上昇することが知られているため、本遺伝子の発現をリアルタイムPCRにより解析した。その結果、MMP-9遺伝子の有意な発現上昇が認められたことから、この系において実際にポドサイトの障害が誘導されたことが示唆された。 そこで、上記実験で得られたRNAを用いて、次世代シーケンスに基づくトランスクリプトーム解析(RNA-seq)を実施した。一方で、miRNAについては、リアルタイムPCRベースの網羅的アッセイにより、発現変動を解析した。
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