2013 Fiscal Year Annual Research Report
生殖補助医療:走化性による新規精子選別法を目指したマウス精子による検討
Project/Area Number |
23592420
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Research Institution | Okinawa Institute of Science and Technology Graduate University |
Principal Investigator |
杉山 仁 沖縄科学技術大学院大学, サイエンス・テクノロジー・グループ, リサーチサイエンティスト (70301596)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安里 こずえ 琉球大学, 医学部附属病院, 助教 (30452246)
舩橋 利也 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (70229102)
平敷 千晶 琉球大学, 医学部附属病院, 助教 (20529341)
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Keywords | 生殖補助医療 / 精子 / 走化性 / 走流性 |
Research Abstract |
本研究は生殖補助医療における精子選別法の開発を目指して計画された。顕微授精では任意に選ばれた一つの精子を用いて卵を受精させる。精子はその形態や運動性により選択されるが、その他の指標は無いに等しい。 哺乳類精子の走化性については不明な点が多い。そこで研究代表者がこれまでに研究対象としていたアフリカツメガエルの精子走化因子、allurinに注目した。allurinはCRISPファミリーに属するタンパク質である。CRISPファミリーは精子形成や受精の過程で重要な役割を持つタンパク質群で、ゲノム中ではクラスターを形成している。このタンパク質群は哺乳類のゲノム中にも存在し、これらの異常は精子の受精能を著しく害することが推測される。 マウス精子に対するallurinの誘因活性はTow Chamber Assay法では誘因傾向が安定せず、この方法での精子の選別は困難であると判断した。次にマイクロピペット法で走化活性を検討したところ、明らかな誘因活性を検出するに至らなかったものの、この過程で精子の正の走流性を観察することができた。この特質は正しい運動機構と形態を保っていなければ維持できない特質であると考えられ、走流性を利用することで現状の目視による選別よりも有用な方法を確立できる可能性がある。そこで、精子の走流性の文献的調査を行ったところ、精子の走流性は100年以上も前に報告されていたが、その後の報告はほとんどなく、その詳細はまったく明らかになっていなかった。しかし、2013年に走流性に関する論文が発表されていた。 精子走流性に関しては、本研究計画において想定されていないため、文献調査のみ行ったが、新たな精子選別法に応用可能な特性であり、今後の発展が期待される。研究代表者は走化性とカルシウムの関係をまとめた論文において、今回注目した走流性に関する見解をまとめ、本研究の成果の一つとして発表した。
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Research Products
(1 results)