2011 Fiscal Year Research-status Report
子宮内膜癌におけるNotchシグナル関連因子の発現とその意義の研究
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23592442
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
高津 亜希子 信州大学, 医学部附属病院, 助教 (90447730)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 昭久 信州大学, 医学部, 助教 (10547095)
塩沢 丹里 信州大学, 医学部, 教授 (20235493)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | Notchシグナル経路 / 子宮内膜癌 / γ-secretase阻害剤 / 浸潤 |
Research Abstract |
(1) 正常子宮内膜20例および子宮内膜癌70例におけるNotch関連タンパク(Notch1,Notch3, Jagged1, Delta4)の発現と局在を免疫染色にて検討した。さらに臨床病理学的因子(組織grade、臨床病期、予後等)との相関を検討した結果、Notch関連タンパクは全て内膜癌で正常と比較し有意に発現が亢進しており、特にNotch1, Jagged1両者陽性の場合、有意に予後が不良であることを見出した。(2)子宮内膜癌におけるNotchシグナル経路の機能解析を行う目的で、子宮内膜癌細胞株(Hec1B,KLE)にNotch阻害剤(DAPT)添加を行い、増殖能、浸潤能の変化をそれぞれWST1アッセイ、Matrigel invasion assayにて検討を行った。その結果、Notchシグナルは増殖には関与せず、主に浸潤能に関与することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
正常子宮内膜、子宮内膜癌におけるNotch関連タンパクの発現およびNotchシグナルの内膜癌における機能解析まで予定していた計画通りに進展したため。
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Strategy for Future Research Activity |
(1) Nothシグナル阻害剤による子宮内膜癌転移抑制のin vivoでの検討Notchシグナルが子宮内膜癌の浸潤能を介し予後不良に寄与していることが明らかとなったため、子宮内膜癌転移モデルを作製し、Notch阻害剤の作用を検討する。具体的には子宮内膜癌細胞株によるヌードマウスでの1)リンパ節転移モデル、2)肺転移モデルにおいて検討を行う。1)麻酔下に子宮内膜癌細胞株(Ishikawa, 5x106)を生後6 週のヌードマウス子宮内に移植する。同様に2)Ishikawa細胞を6週齢ヌードマウス尾静脈へ注入する。1 週間後よりγ-secretase 阻害剤(DAPT)を尾静脈より投与し、4週後コントロール群とDAPT 投与群でリンパ節転移の有無、肺転移の有無、個数、腫瘍径を測定する。(2) Notch1-Jagged1 axisを標的とした治療戦略の検討Notchシグナルの中で、Notch1-Jagged1経路が予後不良に関与していることが示されたため、Notch1, Jagged1に対するshRNAを作製し、子宮内膜癌浸潤能の変化をin vitro, in vivoで検討する。in vivo実験ではヌードマウスでの腫瘍増殖、リンパ節転移、遠隔転移を上述同様の手法で比較、検討する。(3)パスウェイ解析による浸潤、転移に関与するNotch シグナル経路下流因子の同定子宮内膜癌細胞株(KLE)にNotch1 の細胞内ドメイン(NICD)を含むベクタEF.hICN1.CMV.GFPを用い遺伝子導入を行う。その結果得られた細胞とコントロールの細胞からRNA を回収、逆転写反応で得られたcDNA を用い、浸潤能に関与する因子に焦点を当てたパスウェイ-アレイ解析(SA バイオサイエンス社:RT² Profiler™ PCR アレイ)を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上述(1)Nothシグナル阻害剤による子宮内膜癌転移抑制のin vivoでの検討に関し、細胞培養諸経費(180千円)、実験動物維持、管理費(200千円)、試薬等(100千円)を計上する。(2)Notch1-Jagged1 axisを標的とした治療戦略の検討については、同様に細胞培養諸経費(140千円)、実験動物維持、管理費(200千円)、試薬等(150千円)を予定している。また、(3)パスウェイ解析による浸潤、転移に関与するNotch シグナル経路下流因子の同定について、細胞培養諸経費(80千円)、試薬等(100千円)およびpathway array関連費用(550千円)を予定する。
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Research Products
(1 results)