2012 Fiscal Year Research-status Report
子宮体部明細胞腺癌における新たな発癌プロセスと創薬
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23592466
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
平澤 猛 東海大学, 医学部, 講師 (70307289)
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Keywords | 低酸素環境 / 癌の微小環境 / 明細胞腺癌 |
Research Abstract |
目的:これまでに我々は卵巣明細胞腺癌でmTOR-HIF pathwayが特異的に亢進しており、この系の活性化が予後不良の一因であることを報告してきている。さらにmTOR阻害剤はこの系の活性化を抑制するばかりでなく様々な側面から抗腫瘍効果を有しており、明細胞腺癌治療への応用が期待されている。そこで、本研究ではType Iに比して予後不良であるType II体癌に主眼をおき、mTOR-HIF 関連因子の動態について検討した。 材料・方法:当科においてインフォームドコンセントの得られた子宮体癌48例(類内膜腺癌(TEMA):21例 、漿液性腺癌(TSEA):17例、明細胞腺癌(TCCA):10例を用いてmTOR-HIF 関連因子について免疫組織化学を施行し、臨床病理学的解析を行った。 結果:Type II体癌の全例で種々の程度のphospho-mTOR(p-mTOR)、HIF-1α、HDAC7の発現を認めた。とりわけ明細胞腺癌で高い傾向を認めたが有意な差は認められなかった。HDAC7の発現はheterogeneityな染色態度を示し、TSEA,TCCAともに細胞質に発現を認めたが、TCCAの1例では唯一、核・細胞質の両者に発現を認めた。 考察:今回の検討から、Type II体癌においては組織型の差に関わらず全例でmTOR-HIF pathwayの亢進が認められたことから、mTORの活性化がType II体癌の予後不良因子の一因であることが考えられた。また、HIF-1αが細胞質・核陽性でHDAC7強陽性症例は予後不良であったことから、予後因子としての可能性については、現在継続して検討を行っている。さらにin vitro、in vivoにおけるmTOR-HIF-1シグナル伝達経路抑制によるType II体癌治療の可能性についても検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実績概要にもあるように、既に組織検体を使用した臨床病理学的解析については概ね実験を終了しているが、『in vitro におけるmTOR-HIF-1シグナル伝達経路抑制によるType II体癌治療への基礎的解析』についてはType II体癌の細胞株樹立に時間を要したために大きく遅延している。しかし、24年度中には細胞株の樹立を完了し、現在in vitroにおけるトライアルを遂行中である。併せて、本成果をもとにin vivoにおける薬剤効果判定についても25年度中に終了させるよう現在調整を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は主に『in vitro におけるmTOR-HIF-1シグナル伝達経路抑制によるType II体癌治療への基礎的解析』を中心に24年度に樹立したType II体癌細胞株を用いて、in vitro 腫瘍細胞増殖における薬剤評価、in vitro におけるHIF-1αおよびHIF-1 関連因子の発現抑制効果の検討を行い、創薬に結び付けたいと考えている。さらにin vivoにおいても皮下移植腫瘍を用いて薬剤効果判定も行い、国内外に成果を発表できるように努力する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究の達成度にもあるとおり、24年度では、Type II体癌培養株の樹立に大きく時間を費やしてしまったことから、次のステップへなかなか進めず、使用できなかった残高を25年度に繰り越している。
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Research Products
(26 results)
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[Journal Article] Enhanced expression of sulfatide, a sulfated glycolipid, in well-differentiated endometrial adenocarcinoma.2012
Author(s)
Sugiyama T, Miyazawa M, Mikami M, Goto Y, Nishijima Y, Ikeda M, Hirasawa T, Muramatsu T, Takekoshi S, Iwamori M.
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Journal Title
Int J Gynecol Cancer.
Volume: 22(7)
Pages: 1192-7.
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Long Term Prognostic Implications of Expression of Glucose Transporter-1 and Hexokinase II in Patients with Stage I Uterine Leiomyosarcoma.2012
Author(s)
Tsukada H, Muramatsu T, Miyazawa M, Iida T, Ikeda M, Shida M, Hirasawa T, Kajiwara H, Murakami M, Yasuda M, Mikami M.
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Journal Title
Acta Histochem Cytochem.
Volume: 45(2)
Pages: 147-54
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] 子宮頸部すりガラス細胞癌の1例2012
Author(s)
梶原 博, 川島 真人, 井野元 智恵, 加戸 伸明, 宮嶋 葉子, 平澤 猛, 村松 俊成, 三上 幹男, 伊藤 仁, 中村 直哉
Organizer
第51回日本臨床細胞学会秋期大会
Place of Presentation
朱鷺メッセ 新潟コンベンションセンター
Year and Date
20121109-20121110
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[Presentation] わが学園の付属中学・高校女子生徒に行った子宮頸癌予防啓発活動とアンケート調査2012
Author(s)
村松 俊成, 天津 慎子, 菅野 秀俊, 田島 敏樹, 西島 義博, 杉山 太朗, 池田 仁惠, 信田 政子, 前田 大伸, 平澤 猛, 三上 幹男
Organizer
第50回日本癌治療学会学術集会
Place of Presentation
パシフィコ横浜
Year and Date
20121025-20121027
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[Presentation] 頸癌広汎全摘後傍大動脈リンパ節初回再発は予測できる 術後PAN領域への治療適応の検討2012
Author(s)
三上 幹男, 平澤 猛, 村松 俊成, 小宮山 慎一, 長谷川 清志, 宇田川 康博, 新井 努, 新井 正秀, 角田 新平, 吉岡 範人, 戸澤 晃子, 鈴木 直
Organizer
第64回日本産婦人科学会学術講演会
Place of Presentation
神戸ポートピアホテル・神戸国際展示場
Year and Date
20120413-20120415
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[Presentation] わが大学(学園)の付属中学・高校の女子生徒におこなった子宮頸がん予防啓発活動でのアンケート結果の解析2012
Author(s)
村松 俊成, 佐柄 祐介, 簡野 康平, 三島 典子, 篠田 真理, 三塚 加奈子, 池田 仁惠, 信田 政子, 平澤 猛, 石本 人士, 和泉 俊一郎, 三上 幹男
Organizer
第64回日本産婦人科学会学術講演会
Place of Presentation
神戸ポートピアホテル・神戸国際展示場
Year and Date
20120413-20120415
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[Presentation] 子宮原発悪性リンパ腫4例の検討2012
Author(s)
信田 政子, 篠田 真理, 田島 敏樹, 池田 仁惠, 平澤 猛, 村松 俊成, 石本 人士, 和泉 俊一郎, 三上 幹男
Organizer
第64回日本産婦人科学会学術講演会
Place of Presentation
神戸ポートピアホテル・神戸国際展示場
Year and Date
20120413-20120415