2013 Fiscal Year Research-status Report
ミトコンドリア―活性酸素系の蝸牛内ライブイメージング
Project/Area Number |
23592475
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉川 弥生 東京大学, 医学部附属病院, 病院診療医 (00452350)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 幸士 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (50323548)
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Keywords | 耳科学 / 抗加齢医学 / 内耳 / 有毛細胞 / 難聴 |
Research Abstract |
本研究は、蝸牛有毛細胞内のミトコンドリアで発生するフリーラジカル(活性酸素/ROS)について、in vivo・in situでの直接測定法を確立し、これをもとに感音難聴の本態解明につながるデータを得て、新たな治療薬を開発・臨床展開するための研究基盤を確立することが目的である。1.蝸牛におけるlive ROSイメージング:活性酸素発生剤(ミトコンドリア電子伝達系酵素複合体IIIの特異的阻害剤である Antimycin A)、活性酸素により蛍光を発する色素(HPFまたはAPF)、活性型ミトコンドリア標識剤(Mitotracker Orange)を用いて、モルモットの蝸牛における薬剤障害時のミトコンドリア分布を可視化した。撮影には高速コンフォーカル顕微鏡Nikon A1Rを用い、得られたデータに対して3次元再構成を行った。アンチマイシンAによる障害の11分後より活性型ミトコンドリアの蛍光量が減少した。 2.ミトコンドリア機能障害マウスでのミトコンドリア分布、活性酸素発生の観察 a.薬剤障害下での活性酸素・ミトコンドリア測定 : Antimycin A およびアミノグリコシド系抗生物質として臨床でよく用いられるゲンタマイシンを用い、活性型ミトコンドリアの分布計測を行った。コンフォーカル顕微鏡を用い3次元再構成を行ったところ、活性型ミトコンドリアは薬剤障害により減少したが、減少幅は内有毛細胞よりも外有毛細胞に多い傾向が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、蝸牛有毛細胞内のミトコンドリアで発生するフリーラジカル(活性酸素/ROS)について、in vivo・in situでの直接 測定法を確立し、これをもとに感音難聴の本態解明につながるデータを得て、新たな治療薬を開発・臨床展開するための研究基盤を確 立することにあった。 具体的に平成25年度に計画している研究項目は次のものであった。 1高速レーザー共焦点顕微鏡と特殊試薬を用いた、蝸牛内リアルタイム3次元活性酸素観察系の構築 2ミトコンドリア機能障害マウスでのミトコンドリア分布、活性酸素発生の観察 以上のうち1はおおむね順調に進展しており、更に蝸牛内活性型ミトコンドリアのリアルタイム計測も開始することができた。2に 関してはミトコンドリアGFP-トランスジェニックマウスの入手に事務手続き上の困難が生じているために遅れが見られるが、学内の研 究倫理委員会・動物実験委員会の承認は得られており、ミトコンドリア計測系に関しては1で充分に確立しつつあるため一旦マウスが 入手できれば研究は順調に発展するものと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画1. 種々の内耳保護剤の内耳での抗酸化メカニズムの検証・遺伝子異常マウスの内耳脆弱性の解析種々の感音難聴への抗酸化剤の予防および治療効果を調べる。具体的には抗酸化剤を一定期間投与したモルモットを用い、障害曝露時の蝸牛内酸化ストレスの増減を定量する。障害には音響曝露ないし耳毒性薬剤としてアミノ配糖体抗生物質、シスプラチンなどの抗悪性腫瘍剤を使用する。 研究計画2ミトコンドリアGFP-トランスジェニックマウスを用いた、蝸牛内ミトコンドリア分布の経時的立体的観察 現在マウス入手中である。入手完了すれば、研究計画1で確立した蝸牛内ミトコンドリア分布リアルタイム観察を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究計画2(ミトコンドリアGFP-トランスジェニックマウスを用いた、蝸牛内ミトコンドリア分布の経時的立体的観察)に関して、ミトコンドリアGFP-トランスジェニックマウスの入手に事務手続き上の困難が生じているために遅れが生じており、一部の実験の遂行ができなくなっているため。 ミトコンドリアGFP-トランスジェニックマウスの入手および移送管理、実験に関する費用として使用する
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