2011 Fiscal Year Research-status Report
音響外傷性難聴における細胞死制御メカニズムと新たな治療法開発
Project/Area Number |
23592482
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
山下 大介 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (60306785)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神崎 晶 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (50286556)
藤田 岳 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 医学研究員 (90533711)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 内耳 / 細胞死 / 再生 |
Research Abstract |
音響外傷性難聴における内耳細胞死のメカニズムを詳細に解明し、その結果に基づき治療へのアプローチを多角的に検討することが本研究の目的である。 本年度は、モルモット(ハートレー系、オス、8週齢:250-300g)を用いて、深麻酔下に断頭し、蝸牛を摘出した。その際、同時に血液も採取した。次に顕微鏡下に正円窓・卵円窓からマイクロピペットを用いて、内耳リンパ液を採取した。(1匹2耳より約5~10μl)採取した内耳リンパ液および血漿から水溶性代謝物を抽出し、フリーズドライ、誘導体化の過程を経て、最後にガスクロマトグラフィー質量分析計(GCMS-QP2010)にて代謝物を測定した。得られたデータは主成分分析にて内耳リンパ液に特異的な代謝物を検討した。内耳リンパ液と血漿代謝物組成の比較によりイノシトールやアスコルビン酸など計12種の代謝物組成が検出された。また血漿成分との比較により、計12種の代謝物を同定した。例えば、今回検出されたアスコルビン酸には、フリーラジカルスカベンジャーとして音響外傷に対する内耳保護効果があることが報告されている これまでの報告では、聴覚機能(ABR)や内耳形態から内耳保護効果を証明してきたが、この手法を用いることで、直接内耳リンパ液内での代謝物の変化を調べ、統計学的に検討することが可能になると考える。 現在は、内耳リンパ液中の代謝物の定量化を進めている。また音響外傷モデル動物における、内耳障害後のリンパ液中の代謝物の変化を探ることによりMetabolic pathwayから内耳障害におけるメカニズム解明につながるのではないかと考えている。さらに治療薬開発への応用も可能と考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、予定どおり正常モルモットにおける内耳リンパ液の特異的物質が同定し得た。次年度以降は、今回の結果を基に障害モデル(強大音響負荷モデル)において、内耳リンパ液の組成変化を調べ、メカニズムの解明につなげる予定である。以上からおおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今回モルモットの内耳リンパ液の質量分析を行うことにより、内耳特異的代謝物を同定し得た。次年度は、障害モデルでのリンパ液の代謝物組成の変化を調べる事により、内耳障害のさらなるメカニズムの解明および、治療薬への開発につなげたいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度の残額と併せて、次年度も動物購入代、飼育代、抗体・試薬各種、生化学(免疫染色等)関連消耗品を主体に本研究をすすめる予定である。また、成果を取りまとめるにあたっては、国内外の学会発表や海外英文誌への投稿などを積極的に行う予定であり、その際の旅費、謝金、学会参加費に使用する予定である。
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Research Products
(2 results)