2013 Fiscal Year Annual Research Report
頭頸部表在癌の発現プロファイリングによる治療戦略の確立
Project/Area Number |
23592526
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
楯谷 一郎 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20526363)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 滋 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (10303827)
武藤 学 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40360698)
北村 守正 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60543262)
嘉田 真平 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), その他部局等, 研究員 (70543263)
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Keywords | 質量分析 / 表在癌 / 咽頭 |
Research Abstract |
頭頸部癌は発見された時点ですでに病期が進行していることが多く、そのため手術により嚥下や発声の機能を犠牲にすることを余儀なくされるケースが多かった。嚥下や発声の機能を温存しつつ癌を治療するには早期発見・早期診断が欠かせない。NBIなどの内視鏡診断技術の発達によって癌に特徴的な微細な血管異常を見出し、微細な表在癌を早期に診断して内視鏡下あるいは直達喉頭鏡下で経口的に小侵襲で切除することが可能となってきた。一方、症例の蓄積により問題点も明らかとなってきている。表在癌の発見により特に咽頭癌の症例数が飛躍的に増えているが、これらすべてが放置すると浸潤癌に移行し予後に関わるものであるかは不明であり、over indicationな症例が含まれている可能性は否定できない。また一方で、表在癌の内視鏡手術後に後発頸部リンパ節転移を来たす予後不良な症例も経験されている。 癌が浸潤や転移を来たす際、その第一段階は癌が基底膜を越えて上皮下に進展する上皮下浸潤である。我々は質量顕微鏡法を用いて上皮下浸潤部に特異的に発現している分子を網羅的に解析した。その結果、上皮下浸潤部にはアラキドン酸を含むリン脂質が有意に多く発現していることが明らかとなり、癌の上皮下浸潤においてアラキドン酸が関与していることが示唆された。
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