2013 Fiscal Year Annual Research Report
脳幹における嚥下関連ニューロンネットワークの生理学的ならびに組織学的研究
Project/Area Number |
23592532
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
梅崎 俊郎 九州大学, 大学病院, 講師 (80223600)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安達 一雄 九州大学, 大学病院, 助教 (90380386)
杉山 庸一郎 京都府立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (50629566)
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Keywords | 嚥下関連ニューロン / 延髄呼吸ニューロン / 喉頭運動ニューロン / 嚥下 / 発声 / 咳嗽反射 |
Research Abstract |
嚥下の出力パターンを形成する神経機構は延髄のcentral pattern generator (CPG)という概念で説明されるが、これまでの研究によりこの、嚥下のCPG の構成要素は延髄内の孤束核細胞、延髄網様体細胞、疑核など運動神経細胞からなるとと考えられている。これまでの研究の成果からとりわけ、孤束核近傍ならびにその腹側の網様体のニューロンの役割は重要と考えられる。そのため嚥下のパターン出力を形成する役割を担っていると考えられるこれら介在ニューロンの電気生理学的性質の解析と、組織学的手法によりこれらのニューロンネットワークの実態を明らかにすることを目的に除脳したモルモット(guinea pig)を用いて、呼吸ニューロンを含めた嚥下関連ニューロンの嚥下時の活動様式およびニューロンネットワークの解明を試みた。 延髄嚥下関連ニューロンは孤束核近傍から疑核に至る網様体に広く分布しており、これらの細胞へのトレーサー注入により同側の孤束核、疑核の運動ニューロンおよび対側の網様体に投射していることが判明した。これらの結果より延髄円が関連ニューロンは延髄呼吸ニューロン群や咽喉頭運動ニューロンとも機能的に結合し、嚥下・呼吸・気道防御反射を制御するネットワーク網を形成しているものと考えられた。 また、嚥下関連ニューロンは呼吸や発声、さらには咳嗽をはじめとする気道防御反射とも深く関わっていることが判明した。嚥下時には多くの呼吸ニューロンは活動を停止するが、多くのphase-spanningニューロンでは嚥下に同期する活動をしました。また、咳嗽では多くの吸息ニューロンは横隔神経の活動と同期した活動を示すのに対してphase-spanningニューロンは咳嗽の呼出時にかつ増強を認めた。これらの結果は少なくとも一部の呼吸ニューロンは呼吸以外の嚥下や咳嗽などの運動パターンの形成にも関わっているものと考えられた。
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Research Products
(14 results)