2013 Fiscal Year Annual Research Report
超高速声帯撮影検査・発声機能検査による重症音声障害者の音声治療計画
Project/Area Number |
23592540
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
牧山 清 日本大学, 医学部, 教授 (00139172)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新美 成二 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 教授 (00010273)
平井 良治 日本大学, 医学部, 助教 (70409027)
角田 晃一 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), その他部局等, その他 (30197751)
|
Keywords | 発声機能 / 音声機能 / 声帯振動 / 声帯高速撮影 |
Research Abstract |
平成23年7月より平成25年11月までの間の音声喉頭外来新患数は695人であった。疾患では声帯ポリープと声帯溝症・声帯萎縮が最も多かった。全例に対して喉頭ファイバー検査、喉頭ストロボ検査、発声機能検査を施行した。発声機能検査は基本周波数、音圧、呼気流率、呼気圧を同時測定した。超高速声帯撮影検査施行症例数は204例であった。これらの検査検査結果を基にして5つのタイプに分類した。 発声時の声門形態や振動様式、空気力学的発声機能、嗄声の特徴などから、音声治療や手術治療の選択や併用方法について検討を加えた。その結果、声門抵抗が軽度低く、かつ呼気努力が小さい症例には音声治療が第一選択と考えられた。声門抵抗が中等度低下している症例には、声帯内アテロコラーゲン注入術や組織再生を惹起する薬剤注入療法と、音声治療の併用が必要と考えられた。声門抵抗が極端に低く、発声持続時間が10秒以下の症例では、披裂軟骨内転術や甲状軟骨形成術などの声帯内方移動術(片側声帯麻痺の場合)、あるいは声帯内コラーゲンシート移植(重症溝症の場合)が適応と考えられた。これらの症例では音声治療は補助的に施行する。声帯ポリープや声帯嚢胞例のように片側に隆起性病変が存在する症例では、声門抵抗が高い症例や低い症例が混在していた。手術で病変を切除することで発声機能改善を得られたが、手術後の音声治療が嗄声改善に有効と考えられた。発声時に声門を強く閉じる疾患では声門抵抗が極めて高い。緊張した声帯を振動させるために大きな呼気努力を必要としていた。このような症例には音声治療が第一選択と考えられた。喉頭の緊張を低下させる音声治療を施行して良好な結果を得た。 これらの結果より喉頭ファイバー検査、声帯振動検査、発声機能検査、音質検査から治療法選択の基準を考案した。
|
Research Products
(19 results)