2013 Fiscal Year Annual Research Report
ゲラニルゲラニルアセトンによる正常眼圧緑内障モデル動物の網膜神経節細胞死抑制
Project/Area Number |
23592548
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
新明 康弘 北海道大学, 大学病院, 助教 (00374398)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北市 伸義 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員教授 (40431366)
|
Keywords | 神経保護 |
Research Abstract |
グルタミントランスポーターの1つであるglutamate/aspartate transpoter(GLAST)の機能異常をもつ遺伝子欠損マウスでは、眼圧が上昇することなく、グルタミン酸濃度上層による網膜神経節細胞死が誘導されることが明らかにされてる。この遺伝子異常はヒト正常眼圧緑内障患者にもみられることから、正常眼圧緑内障モデルの一つと考えられている。 ゲラニルゲラニルアセトン(GGA)は、胃潰瘍治療薬としてすでに安全性が確立されている薬剤であるが、熱ショック蛋白の誘導により、神経保護作用を示すと考えられている。 我々は、この薬剤を正常眼圧緑内障モデル動物であるGLASTノックアウトマウスに投与したところ、GGA、100mg/kg/day投与群、300mg/kg/day投与群、600mg/kg/day投与群でいずれも、非投与群に対して統計学的に有意な細胞死抑制効果を示し、その効果は容量依存的に増加した。GGA600mg/kg/dayをGLASTノックアウトマウスに2週間連続投与して、網膜神経節細胞をカウントしたところ、非投与群に比較して約40%の細胞死抑制効果があることを確認している。またRT-PCRを行うことで実際に網膜内でHSP70の誘導が亢進していることも明らかにした。またこの経路がカスパーゼ9やカスパーゼ3を介するアポトーシス抑制を行っていることも明らかにした。本研究によりGLASTノックアウトマウスのような慢性の網膜神経細胞死を生じる動物においてもGGAが神経保護作用を示すことが分かった。
|