2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23592553
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
桂 真理 東京大学, アイソトープ総合センター, 特任助教 (30436571)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相原 一 北海道大学, その他の研究科, その他 (80222462)
村田 博史 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (80635748)
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Keywords | RGC / DNA damage response / ATM / 53BP1 / H4K20me / latanoprost / glaucoma / neuroprotection |
Research Abstract |
前年度までにATMとDNA損傷部位に集積する53BP1が網膜神経節細胞(RGC)の生存に重要であることを確認した。平成25年度はこれらの上流に位置するヒストンH4K20のメチル化についての解析を行った。また、ラタノプロストによる神経保護作用機序についても明らかにした。 1.ATMノックアウトマウスにおけるRGC数減少の有無の確認 RGCに蛍光を発するThy-1-CFPマウスとATMノックアウトマウスを交配し、RGC数を計測した。生後4か月の野生型とノックアウトマウスとの間に差は見られなかった。Thy-1-CFP -ATMマウスは生後6か月前後で死亡するため、ATMノックアウトマウスで12か月以上生存したものを組織学的に観察し、網膜の変性を確認した。 2.RGC-5における低酸素負荷時のヒストンH4リジン20のメチル化の変化 53BP1の核内フォーカスの上流のH4K20のメチル化を調べた。低酸素負荷によりRGC-5のH4K20のモノメチル化(H4K20me1)は抑制されており、53BP1のフォーカス減少と細胞死増加との相関性が確認された。H4K20のモノメチル化は細胞周期と連動することがすでに報告されており、RGC-5に於いても低酸素負荷によりG1期からS期に移行する細胞が増加した。 3.ラタノプロストのRGC保護作用とヒストンH4K20のメチル化の関連性 低酸素負荷による細胞死を抑制するラタノプロストは低酸素により減少するH4K20me1を一部回復し、53BP1のフォーカス減少と細胞死増加も一部回復した。細胞死抑制効果はH4K20me1と相関している可能性が強く示唆された。 本研究を通じて網膜神経節細胞死抑制にDNA損傷応答分子であるATM、53BP1、ヒストンH4K20モノメチル化が連動して機能し、低酸素負荷により抑制されたその機能がラタノプロストにより回復されることが明らかになった。
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Research Products
(9 results)