2012 Fiscal Year Research-status Report
難治型加齢黄斑変性に関する分子遺伝学的研究とオーダーメイド治療研究
Project/Area Number |
23592573
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大島 裕司 九州大学, 大学病院, 助教 (00536237)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
園田 康平 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10294943)
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Keywords | 加齢黄斑変性 / 遺伝子多型 / 脈絡膜新生血管 / IL-27 |
Research Abstract |
加齢黄斑変性Age related macular degeneration (AMD)は中高齢者の網膜黄斑部に生じる疾患で、欧米では中途失明原因の第1位を占 め、我が国でも高齢者社会を迎え、現在第4位となっている。現在、AMDに対する根本的な治療はなく、その病因解明は社会的急務であ る。近年、抗血管新生療法をはじめとする新しい治療が開始されているが、依然視力改善は困難である。今回我々は治療抵抗性のAMD に対して遺伝的因子、および種々のサイトカインの影響を検索し、その新しい治療法を検討している。 治療患者のサンプル収集:九州大学病院AMD専門外来にて抗VEGF治療を施行され、文書による同意が得られた成人300名の血液サンプルよりいままでに報告されたSNPの解析を終了した。また視力、眼底所見、蛍光眼底造影所見、光干渉断層計による中心窩網膜厚、臨床病型、病変の大きさ、活動性な どを検討し治療に対する効果、各サンプルの臨床所見、年齢、性別、治療歴、合併症、生活歴、家族歴などを含んだデータベースとともにSNPの関連を解析中である。 瘢痕化進行に関与する因子の検索:AMD脈絡膜新生血管モデルマウスを用いて、IL-27の発現を確認、時系列でのRNA,タンパクレベルで の発現を確認している。現在、AMD瘢痕化モデルマウスを用いて、同様にIL-27の発現を確認し、治療因子としての検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
治療患者のサンプル収拾に関して、ほぼ目標サンプルを収拾済みである。臨床検査データ をもとにしたデータベースの構築も順調にほぼ終了し、現在統計学的解析を開始したところである。 マウスモデルを用いたサイトカインの検索もIL-27に注目、脈絡膜新生血管モデルにおいてはほぼ、発現程度、時期、等の検討が終了 し、瘢痕化モデルでの治療効果判定に移行している。 24年度に予定していた研究計画のほぼ予定どおりに進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は今まで収集した血液サンプルからの遺伝子多型検索を続行、臨床データベースもとに遺伝子多型検索と治療効果との関連の検討を進め ていく予定である。 またモデルマウスを用いた研究に関しては、IL-27の発現を瘢痕化モデルにおいて確認を再度行い、治療効果判定に向けてモデルマウスにて検討を重ねる予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
遺伝子多型の解析と治療感受性遺伝子の抽出:聞き取り調査の対象者の中で、本遺伝子解析研究用の採血に同意された方に対し、従来 報告のある既知の候補遺伝子(CHF, HTRA-1, ELOVL4, FBLN5, BF, CFB, CFI, LIPC, ARMS2, C2)を用いてSNP解析を行う。治療感受性 良好群と不良群に対する一塩基多型(SNPs)を比較し、AMD治療に対する感受性関連遺伝子を探索する。それらについて機能解析を行 い、あるSNP(あるいはハプロタイプ)がAMD治療の感受性あるいは進行に関与しているということを示す。次に、得られた対立遺伝子の 頻度や陽性率あるいは遺伝子を型の頻度に有意差があるかどうかχ2法用いて検定する。同時にlogistic回帰分析により、オッズ比を 算出して関連の強さを評価する。このようにして治療感受性遺伝子を包括的に同定する。 AMDモデルマウスにおけるIL-27および関連因子を用いた治療効果の検討:IL-27には抗新生血管作用を持つことが推測されるため、AMD 瘢痕化モデルに対してIL-27および関連因子を局所投与(硝子体内注射)もしくは全身投与(腹腔内投与)を行い、経時的にその効果 を検討する。 これらの結果を各学会で発表し、また論文作成を行う予定である。
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[Journal Article] Involvement of Periostin in Regression of Hyaloidvascular System during Ocular Development.2012
Author(s)
Arima M, Yoshida S, Nakama T, Ishikawa K, Nakao S, Yoshimura T, Asato R, Sassa Y, Kita T, Enaida H, Oshima Y, Matsuda A, Kudo A, Ishibashi T.
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Journal Title
Invest Ophthalmol Vis Sci
Volume: 53
Pages: 6495-503
Peer Reviewed
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[Journal Article] Aniti-angiogenic shift in vitreous after vitrectomy in patients with proliferative diabetic retinopathy2012
Author(s)
Yoshida S, Nakama T, Ishikawa K, Arima M, Tachibana T, Nakao S, Sassa Y, Yasuda M, Enaida H, Oshima Y, Kono T, Ishibashi T.
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Journal Title
Invest Ophthalmol Vis Sci
Volume: 53
Pages: 6997-7003
DOI
Peer Reviewed
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