2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23592594
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
高木 均 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (70283596)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北岡 康史 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (10367352)
宗正 泰成 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (30440340)
上野 聰樹 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (20109010)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | フェノフィブラート / 血管内皮 |
Research Abstract |
本研究ではFIELD(The Fenofibrate Intervention and Event Lowering in Diabetes Trial)試験により明らかにされたフェノフィブレートの網膜症治療効果のメカニズムを明らかにすることにより、新規の網膜症発症機序を明らかにし、治療法を探索することを目的とする。フェノフィブラートがもともと核内転写因子PPARαのリガンドであることより、PPARα関連の網膜血管障害機序を明らかにすべく、ヒト網膜血管内皮細胞(HREC)とヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)の培養を行い、フェノフィブラートによる刺激後、細胞融解し、細胞タンパク質、核タンパク質、mRNA,を分離精製した。フェノフィブラートの影響を確認することを目的としてPPARα認識oligopeptideによるgel mobility shift assay を行い、PPARα・DNA結合体のgel shiftを確認した。 また、血管内皮細胞への細胞生存効果を検討するため、培養細胞に過酸化水素による酸化ストレスを負荷し、アポトーシスを誘導した。フェノフィブラートによる刺激により、アポトーシス細胞数が有意に減少し抗アポトーシス作用を有することを同定した。次にPPARαへの結合遺伝子を包括的に解析することを目的として、モノクローナル抗体による免疫沈降後、PPARα結合遺伝子を選択的に抽出した。現在、結合遺伝子を包括的に解析している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究ではPPARαへの結合遺伝子を包括的に解析することを目的として、モノクローナル抗体による免疫沈降後、PPARα結合遺伝子を選択的に抽出する。フェノフィブラートによりPPARαにより細胞内のシグナル伝達の活性化、抗アポトーシス作用の確認が取れた。さらに遺伝子の抽出まで研究が進行している。今後遺伝子のモノクローナル抗体の特異性が重要となるが、概ね研究は予定に沿って推移している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度においてはフェノフィブラート刺激によるPPARαへの結合遺伝子を包括的に解析することを目的として、抽出遺伝子の塩基配列決定により有力遺伝子の同定をさらにすすめる。血管細胞生存因子やアポトーシス関連遺伝子、血管新生因子において遺伝子定量解析を行い有力な因子を明らかにする。 同時にin vivo網膜血管新生モデルとして確立している高酸素付加マウスにおける網膜血管新生および無血管野の形成へのフェノフィブラートの影響を検討する。同時にVEGFやNP1、Ang2など網膜血管新生因子への影響、血管細胞生存因子やアポトーシス関連遺伝子への発現制御への影響について、in vivoモデルにおける制御機構を解明する。次年度に高酸素付加マウス飼育に伴い高額機器の購入が見込まれるため今年度の消耗品費を抑え、次年度に合わせて使用する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度ではマウス網膜血管新生モデルの解析を行うため、マウスへの安定的な高酸素負荷を行うために、酸素負荷動物飼育装置を購入する。酸素、動物の購入、飼育料にも費用を要する。遺伝子包括的解析には自動遺伝子塩基配列決定装置を使用するが、そのランニングコストを必要とする。同定した遺伝子の制御について定量解析を行うがレアルタイムPCRとウエスタンブロット、ELISA法により同定し、その消耗品、試薬費用を要する。
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