2011 Fiscal Year Research-status Report
食道閉鎖モデルマウスにおける責任遺伝子発現様式の三次元的解析に関する研究
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23592633
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
佐藤 英章 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (70339852)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 食道閉鎖症 / 気管食道瘻 / アドリアマイシンマウス |
Research Abstract |
本研究の目的は食道閉鎖、気管食道瘻の動物モデルであるアドリアマイシン投与マウスを用い、その遺伝子発現様式を新たな手法(OPT)をもちいて三次元解析し発現異常部位を立体的に具現化することであり、最終的に本疾患の遺伝子治療への可能性を探求することである。このため研究方法としてアドリアマイシン投与マウスをWhole Mount In Situ Hybridizationを用い本邦にて染色し、共同研究者であるIreland, Trinity College Dublin のProfessor Paula MurphyとともにIreland にてOptical Projection Tomography (OPT)を用いその遺伝子発現の3次元構築を行うという手法をとった。実験初年度である本年度は本邦においての実験を開始するべく実験器具の購入、実験施設の確保、本学における動物実験のライセンスの取得、動物管理施設の確保などを要したため、本邦における実験の部分は行うことができず実際の実験は共同実験者であるアイルランド、Professor Paula Murphyの元にて共に3次元構築のみ行うこととなった。その結果アドリアマイシンマウスモデルにおけるNotochordの異常分岐を確認し、3次元構築することが可能でありこの異常分岐が食道閉鎖症、気管食道瘻を引き起こす責任病巣と考えられ、誌上発表にいたった。研究実施計画では本年度の実験計画として「アドリアマイシンモデルにおける食道、気管上皮の解剖学的位置関係を確認するため、上皮細胞成分に特異的に染色されるTTF-1, HNF3-βを対象としOPTによる発現様式の解剖学的構造を確認する。」としており、本年度の結果によりこの異常分岐部における遺伝子発現異常を研究目的とする次年度以降の実施計画における重要な試金石となりえた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の目標として「アドリアマイシンモデルにおけるOPTによる遺伝子発現様式の解剖学的構造を確認する。」を掲げていた。 本邦における実験自体は環境の整備にとどまり進行しなかったものの、アイルランドの共同研究者とともに実験を遂行することにより当初掲げた本年度の目標を達成し、誌上発表するに至った。
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Strategy for Future Research Activity |
実験器具の購入、動物実験ライセンスの取得、動物管理施設の確保などに実験開始までの時間を要し、本年度はマウスを購入しての実験を行うことができず、共同実験者のいるアイルランドにおける実験の実施となったため、次年度に使用する研究費が生じた。今後は実験に必要な環境が整備されたため、本邦において実験を行い、3次元解析をアイルランドにて行う当初設定した到達目標を遂行する方策である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は本来予定しているマウス、実験試薬など消耗品の購入予定に加え、本年度本邦にて購入、実行できなかった分のマウス並びに試薬を購入し、実験結果の追実験を行う必要があるため本年度の研究費を補てんする予定である。
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Research Products
(2 results)