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2011 Fiscal Year Research-status Report

マトリックスプロテアーゼHtrA1によるケロイド組織の浸潤メカニズム

Research Project

Project/Area Number 23592646
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

内藤 素子  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30378723)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywordsケロイド
Research Abstract

1)ケロイド組織2例と正常皮膚1例より、NP40含有蛋白抽出Buffer(1%NP40Tris-Cl buffer)を用いて、蛋白を抽出し、抗HtrA1、抗フィブロネクチン抗体、抗コラーゲンα2(I)抗体、抗コラーゲンα1(III)抗体を用いて、Western blotを行った。ケロイド組織のうち、正常皮膚と比較して、1例は、フィブロネクチン、コラーゲンI型、III型のfragmentationが高度に観察されたが、もう1例では、その差が顕著でなかった。症例数が少ないため、今後、症例数をもっと増やして、検討を行う必要があることと、蛋白抽出バッファーの検討を行う予定である。HtrA1の発現量は、2例とも、正常皮膚に比較して高度に発現していた。2)ケロイド組織1例と正常皮膚組織1例より、Explant法にて線維芽細胞を採取し、得られた細胞に対して、1)と同様の実験を行った。その結果、ケロイド由来線維芽細胞では、正常皮膚由来線維芽細胞と比較し、HtrA1の発現量が高く、フィブロネクチン、コラーゲンI型、III型のfragmentationが高度に観察された。3)ケロイド由来細胞において、HtrA1の発現をRNAi(Steath RNAi, Invitrogen)を用いてノックダウンする系の構築を行った。3種のStealth RNAiと1種のコントロールStealth RNAiを用いて、ケロイド細胞の他の遺伝子発現に損傷を与えることなく、HtrA1のノックダウンに成功した。ノックダウンの成否については、細胞よりRNAを抽出し、リアルタイムPCRにより、発現量を比較することにより確認した。ノックダウン後、72時間でサンプリングを行った結果、フィブロネクチン、コラーゲンI型、III型のfragmentationの減少についてははっきりと確認できなかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

H23年度の実験予定としては、HtrA1の発現量と、フィブロネクチン、コラーゲンI型、III型のfragmentationの程度の比較を、ケロイド組織と正常皮膚組織間で、さらにはケロイド由来線維芽細胞と正常皮膚由来線維芽細胞間で実施することが大きな目標であったが、それについては実施し、ケロイド組織および、ケロイド由来線維芽細胞のいずれにおいても、HtrA1の高発現と、フィブロネクチン、コラーゲンI型、III型のfragmentationが高度に観察された。また、ケロイド由来細胞においてHtrA1の発現をノックダウンする系を構築し、それにおいて、フィブロネクチン、コラーゲンI型、III型のfragmentationの程度が変化するかを観察できた。以上の点は、本年度の計画をほぼ遂行したといえる。

Strategy for Future Research Activity

H23年度では、ケロイド3例、正常皮膚2例しか採取できなかったため、検体数が不足している。ケロイド組織、正常皮膚組織、およびケロイド由来線維芽細胞と正常皮膚由来線維芽細胞の検体数をさらに増やすことが第一である。患者のリクルートにさらに力を入れ、検体の確保を推進することがなにより重要である。蛋白抽出の系については、bufferの変更等についても実験を行う。特に、正常皮膚検体は大きさが小さいものがほとんどで、そこから蛋白や細胞が少量しか採取できないため、検体数の確保に力をいれることが重要である。H23年度で確立した系において、N数を増やし、データの信頼性をあげることにつとめ、ノックダウンの系は、サンプリングの時期についても検討を加え、系を確立させる。それと同時に、H24年度は、HtrA1によるマトリックスのfragmentationにより、ケロイド由来細胞の移動性が増強されるかについての検討を進めて行く。Muaneyらの方法(Mauney J et al, Matrix Biol.2010, in press)を応用することにより、6穴プレートの内側に、メッシュインサートを挿入し、メッシュ内で細胞を培養、heat shockによる細胞刺激を与えた後、メッシュインサートを通り抜けた細胞数を数えることにより、移動性の増減を観察する。メッシュインサート内での細胞培養は、マトリックスコーテイングなしのものと、コラーゲン、フィブロネクチンをコーテイングしたものを用意する。マトリックスの存在により、移動性が増強するかを比較する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

研究費は、消耗品と旅費に使用する予定である。消耗品の内訳は以下のとおりである:検体組織処理、および細胞培養用細胞培養、細胞生物・生化学実験試薬購入費用として60万円、蛋白抽出およびWestern blot関連試薬、抗体購入費用として25万円、real time PCR用試薬として30万円、組織学的実験費用として30万円の計145万円を計画している。それ以外に、成果を学会で発表するために、国内旅費10万円、外国旅費12万円を計画している。

  • Research Products

    (4 results)

All 2011 Other

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] ケロイド治療成績のスケールを用いた評価2011

    • Author(s)
      山脇聖子、内藤素子、吉川勝宇、石河利広、鈴木茂彦
    • Journal Title

      日本創傷外科学会誌

      Volume: 3巻 Pages: 112-117

  • [Journal Article] Keloids can be forced into remission with surgical excision and radiation, followed by adjuvant therapy.2011

    • Author(s)
      Yamawaki S, Naitoh M, Ishiko T, Muneuchi G, Suzuki S.
    • Journal Title

      Ann Plast Surg

      Volume: 67 Pages: 402-406

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] ケロイド・肥厚性瘢痕の分類と評価2011

    • Author(s)
      山脇聖子、内藤素子、鈴木茂彦
    • Journal Title

      瘢痕・ケロイド治療ジャーナル

      Volume: 5 Pages: 41-44

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] マトリックス・セリンプロテアーゼHtrA1は皮膚線維性疾患ケロイドの予後規定因子である。

    • Author(s)
      内藤素子
    • Organizer
      第43回日本結合組織学会学術集会第58回マトリックス研究会大会合同学術集会
    • Place of Presentation
      大分県 別府ビーコンプラザ
    • Year and Date
      2011年6月10日

URL: 

Published: 2013-07-10  

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