2012 Fiscal Year Research-status Report
抗酸化能に着目した肺線維症に対する新規治療法の開発
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23592673
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
野口 隆之 大分大学, 医学部, 教授 (90156183)
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Keywords | 肺線維症 / ブレオマイシン / 抗酸化作用 / アルファリポ酸誘導体 |
Research Abstract |
これまで活性酸素種による酸化ストレスが病態成立に関わる種々の疾患に対して、我々の開発した抗酸化作用を有するビタミンE誘導体やアルファリポ酸誘導体が有効であることを示してきた。肺線維症も活性酸素種による酸化ストレスがその発症メカニズムに強く関与し、α-リポ酸誘導体の亜鉛キレート化合物であるSodium Zinc Histidine Dithiooctanamide(DHL-HisZn)やDHL-TauZnがフリーラジカルや活性酸素種を強力に抑制し、かつかつ非ステロイド骨格である化合物であるDHL-HisZnは副作用が少ない肺線維症に対するに対する新しい治療法になると考え研究を進めた。 ブレオマイシン投与肺線維症モデルはWistar系雄性ラット(体重250-300g)に、LPSを経静脈内投与することで全身性炎症モデルを作成。次の各群に分けた。a)コントロール群、b)ブレオマイシン投与群、c) DHL-HisZn投与+ブレオマイシン群に分けて行った。生理食塩水ならびにDHL-HisZn含有生理食塩水の投与は、モデル作成30分前に静脈内投与する。DHL-HisZn は毎日1回静脈内投与する。各々の上記モデルで経時的に採血を行う。その後、各群間においてブレオマイシン誘発肺線維症ラットモデルを作成し、安静時動脈血液ガス分析、肺組織のHE染色所見、肺障害の程度を見るアッショフスコア並びにAZAN染色による肺組織の線維化の程度を比較し、DHL-HisZnの投与の有無でその刻かの確認を行いDHL-HisZn投与が、肺傷害、肺の線維化を軽減することを示すことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までの達成度は概ね順調で、現在、肺組織中の線維タンパクの中心をなすコラーゲンの指標となるハイドロオキシプロリンの測定、肺組織中の酸化ストレスのマーカーMDAの測定を行い、DHL-HisZn投与の有効性を示唆する結果を得、その後血清中のTNFやIL-6などのサイトカイン量の測定をELISA Kit等を使用した解析を行いその効果を炎症反応から検討する。
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Strategy for Future Research Activity |
他のα-リポ酸誘導体の亜鉛キレート化合物DHL-TauZnのブレオマイシン誘導肺線維症に対する効果を検討する予定で、研究年度内でのα-リポ酸誘導体の亜鉛キレート化合物肺線維症に対する研究完了をめざし実験を遂行していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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