2013 Fiscal Year Annual Research Report
抗酸化能に着目した肺線維症に対する新規治療法の開発
Project/Area Number |
23592673
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
野口 隆之 大分大学, 医学部, 教授 (90156183)
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Keywords | 肺線維症 / ブレオマイシン / 抗酸化作用 / αリポ酸誘導体 |
Research Abstract |
昨年度までの研究により、ブレオマイシン誘発肺線維症モデルにおいて、新規に合成したαリポ酸誘導体であるSodium Zinc Histidine Dithiooctanamide(DHL-HisZn)を投与することで、肺の線維化を抑制できることを示してきた。本研究の結果は、これまで当教室にて発表してきたDHL-HisZnの有している優れた臓器保護効果と何ら矛盾しない結果であった。そこで、今年度は、①ブレオマイシン誘発肺線維症モデルを用いて、本有効性のメカニズムを詳細に検討するために、酸化ストレスの影響を中心に解析を行った。②αリポ酸誘導体の一つであるSodium Zinc Taurine Dithiooctanamide(DHL-TauZn)におけるブレオマイシン誘発肺線維症モデルでの有効性の検討を行った。③新規合成αリポ酸誘導体の安全性の確認をラットを用いて行った。上述した3点を中心に、研究を行い、以下の結果を得ることが出来た。 ブレオマイシン誘発肺線維症モデルにおいて、肺の酸化ストレスを評価するために、MPOの測定を行った。ブレオマイシン投与により上昇したMPOはDHL-HisZn投与で有意に抑制できたことから、DHL-HisZnの治療効果に酸化ストレス抑制効果の関与が示唆された。次に、同モデルを用いてDHL-TauZnの投与を行い有効性の検討を行った。結果、DHL-TauZnにおいても、肺の線維化を抑制することが出来、αリポ酸誘導体の肺線維症における有効性を再確認できた。最後に、これら新規合成αリポ酸誘導体の安全性を確認するため、正常ラットに投与し腎機能等の変化を見たが、特に正常ラットに比べ問題となる所見は見当たらず、安全に使用できることが示唆された。
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