2013 Fiscal Year Annual Research Report
TLRアゴニストによる免疫および慢性炎症の制御機構解明ーイメージング手法を用いて
Project/Area Number |
23592747
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
鈴木 恵子 昭和大学, 歯学部, 講師 (50119187)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 庄司 昭和大学, 歯学部, 名誉教授(Emeritus Professor) (00111617)
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Keywords | 炎症性骨破壊 / Toll-like receptor / 炎症 / 免疫 / 骨代謝治療薬 |
Research Abstract |
骨粗鬆症や歯周病での病的骨破壊はQOLの著しい低下を招くため、超高齢社会である我が国においては、有効な治療薬開発が急務とされている。本研究では、本来ならば宿主を守るために働く免疫機構が破綻し、過剰な組織破壊を起こすメカニズムについてin vitroとin vivoの両側面から検討すると共に、共同開発中の骨代謝治療薬MPMBPの有効性の検定を行い、本研究計画期間内に以下の結果が得られた。 1.TLR2を介して作用するPam3CSK4およびグラム陽性菌成分をマウス頭蓋骨膜下またはラット口蓋骨膜下に投与すると骨破壊が誘導されたことから、TLR4アゴニストであるLPSのみならず、TLR2アゴニストも歯周病における歯槽骨破壊の原因となることが示された。2.TLR2とTLR4アゴニストの作用メカニズムの違いについて調べるために、Pam3CSK4またはLPS投与後のマウスから採取した頭蓋骨・胸腺・脾臓・骨髄試料についてELISA法、real-time RT-PCR法、FACSによる解析を行った。その結果、LPS群ではPam3CSK4群よりも早期に樹状細胞のマーカー発現がみられ、炎症から免疫反応への移行が速やかであった。3.GFP transgenic ラット由来の骨髄細胞を用いたin vivoイメージング実験から、TLR4よりもTLR2の方が炎症反応の経過が長引き、組織侵襲度が高いことが示された。4.Pam3CSK4, LPS投与による炎症性骨破壊モデルおよび頭蓋骨欠損モデルでのin vivoイメージング実験で、MPMBP投与により、炎症性骨破壊部位へのGFP, TRAP陽性細胞の移行が抑制された。また、蛍光2重標識法では、MPMBP投与群で、骨吸収抑制に加えて、新規骨形成促進が観察されたことから、MPMBPは骨代謝治療薬として有用であることが示された。
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Research Products
(1 results)