2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23592761
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
西山 秀昌 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (60243250)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山村 健介 新潟大学, 医歯学系, 教授 (90272822)
新国 農 新潟大学, 医歯学総合研究科, 研究員 (80419316)
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Keywords | 咀嚼筋 / T2値 / MRI / 神経 / 疼痛 |
Research Abstract |
1.疼痛とT2値との関連について 咀嚼筋のT2mapについては、顎関節症患者の疼痛側と非疼痛側についての比較が行われ、疼痛側にて有意に値の上昇が見られたことが論文として投稿され受理された。上記結果は、T2強調画像では捉えきれない咀嚼筋内の自由水の変化をT2値では鋭敏に捉えていることを明らかにするとともに、疼痛に関連してT2値の値が上昇するという仮説を支持するもので、本研究にとって極めて重要な論文である。 2.筋活動との関係について 咀嚼筋以外の部位に対する刺激にて自律神経系を変化させることで、筋のT2値の変化の有無と筋活動の変化の有無を実験する予定で筋電計を購入したが、外来棟の移転、学部の仮移転が続き、残念ながら実験が中断した状態となってしまった。次年度以降、引き続き継続していく予定である。 3.簡易T2値の利用について T2mapデータを収集できないMRI撮像装置があることから、簡易的にT2相当値を計測できるシーケンスとして「脂肪抑制を併用しないFSE系列の2組の画像」を用いて計算する手法を用いたところ、三叉神経痛を有する患者において、咀嚼筋の左右差を敏感に検出できる可能性が示唆され、第53回日本歯科放射線学会総会にて発表した。絶対値としてのT2値ではないものの、左右差として相対評価可能な指標となる値であり、原理的に従来のT2強調画像では把握しきれない病態について検出可能であることから、神経痛や筋痛を有する患者での、直接的・間接的な咀嚼筋の病態評価に有用であると思われた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究施設および研究関連施設としての外来棟および学部の移転作業があり、研究を中断せざるを得ない時期が多くあったため、計画全体が遅れてしまっている。
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Strategy for Future Research Activity |
1.疼痛に関連して咀嚼筋のT2値が変化しうることが明らかになったため、咀嚼筋以外の部位を介して自律神経系を刺激する実験を本格的に稼働する。 2.刺激方法としてカプサイシンを用いる計画であったが、オトガイ部および舌の冷刺激・温刺激を用いる方法を併せて研究することとした。また、これら刺激にて筋活動に変化が生じるかどうかを筋電計を用いて確認することで、自律神経を介した血流変化にてT2値が上昇するのか、刺激に関連した筋活動にてT2値が変化するのかを明らかにする。 3.上記と平行して、顎関節症患者および三叉神経痛患者において、MRI検査前に筋電計を用いて筋活動を計測し、T2値への影響の有無を確認する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
単一の刺激方法ではなく、複数の刺激方法を用いることとしたため、被験者への謝金およびMRI担当技師への時間外手当への予算額を多く見込む必要が生じている。したがって、次年度使用額と翌年度以降に請求する研究費を合わせた額の多くを、これら諸経費に割り当てることとした。
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Research Products
(3 results)