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2012 Fiscal Year Research-status Report

菌体外マトリックスを標的とした成熟バイオフィルム制御のための多角的アプローチ

Research Project

Project/Area Number 23592795
Research InstitutionNiigata University

Principal Investigator

竹中 彰治  新潟大学, 医歯学系, 助教 (50313549)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 吉羽 邦彦  新潟大学, 医歯学系, 准教授 (30220718)
興地 隆史  新潟大学, 医歯学系, 教授 (80204098)
大島 勇人  新潟大学, 医歯学系, 教授 (70251824)
Keywordsバイオフィルム / 浸透 / 共焦点レーザー顕微鏡
Research Abstract

本研究は強力な殺菌作用によるバイオフィルムコントロールから、マトリックスを標的とした制御戦略への方向性転換の必要性を提言するとともに、成熟バイオフィルムに対する新たな化学的制御戦略の確立を目的としている。
バイオフィルムへの抗菌成分の浸透には、抗菌成分の分子量、親水性、電荷、作用時間、作用回数が影響が受けるとともに、物質の可溶化し浸透性を高めると考えられていたアルコールには浸透促進効果がないことを明らかにした。
その一例として、Streptococcus mutans ATCC株をカラスベースディッシュを用いた静置系もしくはガラスキャピラリーを用いたフローセル系にてバイオフィルム形成後に、酵素活性により蛍光発現するCalcein-AMにて生菌染色を施した。試料を共焦点レーザー顕微鏡の観察ステージに固定し、0.12%アルコール含有/非含有グルコン酸クロルヘキシジン溶液もしくはアルコール含有/非含有リステリンを還流しながら、タイムラプス解析をおこなったところ、バイオフィルムからの蛍光消失は同等の挙動を示し、蛍光量の減少率および浸透速度に有意な差は認められなかった。また、頻用されているLive/Dead染色像においても同様の結果であった。
さらに、Plate Count法を用いた30秒作用後の生菌数も有意な差は認められなかった。さらに、いずれの群も迅速な殺菌効果を示したが、バイオフィルム構造の剥離効果は認められなかった。強力な抗菌物質を用いてバイオフィルム中の細菌を殺菌しても、付着界面に残存した構造は新たなバイオフィルム形成の起点となることが考えられるため、殺菌ではなくマトリックスに直接作用し分散作用が期待できる物質を効果的にバイオフィルム内部に送り込むこと必要があることが示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究は、異なるアプローチによる成熟バイオフィルム制御法の開発を最終目的としている。そのアプローチとして
(1)浸透・核酸性能に優れた抗菌成分の口腔内長期間保持及び持続的徐放
(2)マトリックス結合の分散
(3)マトリックスの剥離
を想定しているが、(1)の取り組みについて、その物質の浸透性に影響を与える因子を明らかにしつつあるが、(2)および(3)の具体的な物質の選定までには至っていない。菌種に非特異的に作用する物質の探索が引き続き必要となっている。

Strategy for Future Research Activity

バイオフィルムを構成する菌種が産生するマトリックス成分に非特異的に作用する分散・剥離物質を探索を行う。同時に、バイオフィルム深層部に効果的に物質効果が及ぶデリバリー法を開発する。現時点で想定される方法として、温度感受性材料やイオン結合によるゲル化を考えている。
また、細菌からマトリックスをターゲットとしたバイオフィルム制御戦略の必要性を提示するため、抗菌物質作用後のバイオフィルム内部の遺伝子発現解析も同時進行する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

バイオフィルム形成にはフローセル培養系が必要で、ペリスタポンプ、培地、付着対象物(レジンやハイドロキシアパタイト)の等の消耗品に多くを使用する。また、その効果判定法として共焦点レーザー顕微鏡によるタイムラプス解析は浸透動態を観察できる点で有用であり、蛍光色素が必要となる。
次年度は最終年度のため、成果発表のための論文投稿費と上記消耗品費にそのほとんどを使用させていただく予定である。

  • Research Products

    (5 results)

All 2013 2012

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (3 results)

  • [Journal Article] アルコールフリーListerine ZeroのStreptococcus mutansバイオフィルムに対する浸透・殺菌効果2013

    • Author(s)
      竹中彰治、大墨竜也、若松里佳、寺尾豊、大島勇人、興地隆史
    • Journal Title

      日本歯科保存学会雑誌

      Volume: 56 Pages: 105-112

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Current and future strategies for the control of mature oral biofilms- Shift from a bacteria-targeting to a matrix-targeting approach2012

    • Author(s)
      Takenaka S, Ohshima H, Ohsumi T, Okiji T
    • Journal Title

      J Oral Biosci

      Volume: 54 Pages: 173-179

    • DOI

      10.1016/j.job.2012.09.002

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] バイオフィルム制御における洗口液の意義2012

    • Author(s)
      竹中彰治
    • Organizer
      日本歯科保存学会
    • Place of Presentation
      沖縄
    • Year and Date
      20120628-20120629
  • [Presentation] 殺菌処理後のバイオフィルム構造へのStreptococcus mutansの初期付着について2012

    • Author(s)
      大墨竜也、竹中彰治、若松里佳、興地隆史
    • Organizer
      日本歯科保存学会
    • Place of Presentation
      沖縄
    • Year and Date
      20120628-20120629
  • [Presentation] 音波振動式電動歯ブラシおよびリステリン併用時のStreptococcus mutans人工バイオフィルムの剥離効果について2012

    • Author(s)
      浪岡奈保子、竹中彰治、大墨竜也、若松里佳、福田 敬、 富田文仁、成澤直規、泉福英信、興地隆史
    • Organizer
      日本歯科保存学会
    • Place of Presentation
      沖縄
    • Year and Date
      20120628-20120629

URL: 

Published: 2014-07-24  

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