2011 Fiscal Year Research-status Report
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23592830
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
泉田 明男 東北大学, 大学病院, 助教 (40333827)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 硬質レジン / 歯垢 / 二酸化チタン / ぬれ性 / 前装用 |
Research Abstract |
本年度の計画に基づき、以下の通り硬質レジンの試作を行った。 今回試作を行った素材は充填材としてのフィラーには石英と二酸化チタンを用いた。また、マトリックスモノマーにはウレタンジメタアクリレート(UDMA)とトリエチレングリコールジメタアクリレート(TEGDMA)、重合触媒としてカンファーキノン(CQ)を用いた。配合比については、これまでに申請者が歯冠用硬質レジンに関する研究によると(Mechanical Properties of Hard Resins for Crowns and Bridges. Akio Izumida, Masanobu Yoda, Ryoichi Inagaki, Jouji Toyoda, Minoru Ishibashi, Shin Kasahara, Kohei Kimura. The Journal of Japan Prosthodontic Society 52 : 521-528, 2008.)市販の充填材の配合比は70wt%程度のものが多いことを報告しているが、光透過性を考慮しマトリックスモノマーと充填材を重量比で1:1とした。また、以前申請者が重付加型シリコーンゴム印象材に二酸化チタンを添加した場合の研究(二酸化チタン配合重付加型シリコーンゴム印象材の基礎的検討.泉田明男,依田正信.歯科材料・器械 27・2:167,2008.)結果を参考に、二酸化チタンを含まない石英のみからなる試料をコントロールとし、石英の一部を総重量に対して1wt%,5wt%,10wt%の二酸化チタンで置き換えた4種類の試料を作製した。試料は上記の素材を乳鉢で練和することによりペーストを準備した。各ペーストはJIS T 6517-1998に準じ2×2×25mmの板状試料作製用冶具を用いて硬質レジン重合用光照射器にて試料を作製した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では硬質レジンの試作とその表面性状をSEMにて観察することであった.試作についてはおおむね予定通り進めることが出来たが、使用予定のSEMが使用出来なかったため表面性状の観察に関して遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度に予定していた試作体の観察を行ったうえで、平成24年度は以下の試験を行う。1)磨耗試験:磨耗試験機を用いて,硬質レジンの表面を磨耗させた後,表面粗さ測定装置を用いて磨耗深さを測定する。2)溶出試験:人口唾液に浸漬することにより,浸漬前後における二酸化チタンの溶出量の変化を測定する。3)色素浸漬による色調の変化:擬似的な汚れとして,色素(フクシンエタノール溶液,コーヒー)に浸漬し,浸漬前後の試料の色調変化を色差計にて測定する。4)SEM観察:上記1)~3)に対して試験前後の表面性状をSEMにて観察する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額は、当初予定していた試料のSEM観察を次年度に延期することにより生じたものであり、延期した試料のSEM観察に必要な経費として平成24年度請求額とあわせて使用する予定である。
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