2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23592830
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
泉田 明男 東北大学, 大学病院, 助教 (40333827)
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Keywords | 硬質レジン / 歯垢 / 二酸化チタン / ぬれ性 / 前装用 |
Research Abstract |
前年度に試作を行った硬質レジン、すなわち充填材とマトリックスモノマーの重量比が1:1のものに対して、機械的強度の向上を目指して充填材とマトリックスモノマーの重量比を7:3に変更して試作を行った。その結果、当初の試作体と比較して曲げ強度は有意な増加が認められた。また磨耗試験においても有意に磨耗量の少ないことが確認された。磨耗試験後の表面性状に関して磨耗面の観察を行ったところ、市販材料と比較して大きな差異は認められなかった。これらのことから、充填材とマトリックスモノマーの配合比の変更は妥当なものと考えられた。これまでの実験結果から総重量の10wt%程度を二酸化チタンに置き換えることでぬれ性の向上が認められることから、最終的な充填材とマトリックスモノマーの重量比は7:3とし、充填材の一部を二酸化チタンで置き換えその量は総重量の10wt%となるよう調整した。比較対象として二酸化チタンを含まないものとした。これにともなって、この配合比によって製作された2種類の試料を用いて色素浸漬による色調の変化を調べた。擬似的な汚れとして、フクシンエタノール溶液とコーヒーに浸漬し、浸漬前後の試料の色調変化を観察した。その結果、二酸化チタンを含む試料は、それを含まない試料と比較して色調変化は小さいことが確認された。 一方、最近の傾向として硬質レジンにおいてもフロアブルタイプのものがあり、流動性を有するものについても考慮する必要があるため、その現状については、平成25年度秋期、日本歯科理工学会学術講演会において、歯冠用フロアブル硬質レジンの基礎的物性に関する検討と題して発表を行った。そこではペーストタイプの硬質レジンとフロアブルタイプの硬質レジンを積層した場合、界面における破壊や剥離の問題が示唆され本研究における硬質レジン開発への示唆を得ることが出来た。
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Research Products
(1 results)