2013 Fiscal Year Annual Research Report
歯科技工実習課題の概略的評価と客観的評価についての研究
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23592877
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Research Institution | The Nippon Dental University College at Tokyo |
Principal Investigator |
尾崎 順男 日本歯科大学東京短期大学, 歯科技工学科, 准教授 (10413139)
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Keywords | 歯科技工士養成 / 概略的評価 / 主観的評価 / 客観的評価 / 実技試験 |
Research Abstract |
歯科技工士養成における「歯科技工実習」は、知識と基本的技術を包括して行う実習である。しかし、これまで実習課題に対する評価は、教員の概略的な、いわゆる主観的評価で、その評価は客観性に乏しかった。そこで、本研究では、模擬的実技試験での概略評価及び非接触式三次元測定器による計測データを用い、線形及びニューラルネットワークを用いた非線形の評価モデルを構築し、客観的評価が可能かどうかを検討することを目的としている。 平成23、24年度に模擬的実技試験を実施した。この試験の評価は、評価者7名による概略的評価と非接触三次元形状測定装置を用いて三次元形状測定を行った。概略的評価と三次元計測された指定位置の座標データから計算される評価結果の相関に対する検討を行った。解析は、さまざまな情報とそれにより対応する回答とを繰り返し与えることにより入力と出力の間にネットワークを構築し、結果の予測に用いられるニューラルネットワークを解析手法として用いた。 平成25年度は、前年度までに実施した模擬的実技試験の結果について、前年度までの解析方法と異なる方法を用いて検討した。解析方法の相異点は、下記の通りである。 1.2年分のデータを使用し、得点区間毎のサンプル数が等しくなるようなデータを用いてモデル化を行った。2.相関の向上を図るため、舌側咬頭など複数個所のデータを加算したデータを使用した。3.特定の指定部位の座標だけでなく、形状評価を考慮して輪郭や咬合面の高低差の評価項目の追加を行った。4.モデル化する際、相関の絶対値が0.4以上の項目だけでモデル化を試みた。 以上の解析方法の結果、ニューラルネットを使用したモデルの場合、過学習に陥り、検証用サンプルの得点推定値の誤差は大きいことが観察された。一方、線形モデルの誤差は0.64と小さく、客観的評価が可能なことが示唆された。
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