2012 Fiscal Year Research-status Report
暫間インプラント/生体組織間の電子顕微鏡下での界面観察
Project/Area Number |
23592886
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
白井 肇 岡山大学, 大学病院, 講師 (00263591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥井 康弘 岡山大学, 大学病院, 教授 (10188831)
皆木 省吾 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (80190693)
河野 隆幸 岡山大学, 大学病院, 助教 (80284074)
鈴木 康司 岡山大学, 大学病院, 助教 (30304322)
長岡 紀幸 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (70304326)
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Keywords | インプラント / 界面 |
Research Abstract |
近年,咬合崩壊した症例に対して,暫間インプラントによる早期の咬合回復を図ることが,重度歯周病に罹患した歯列の保存ならびに顎運動の異常習癖の改善に対して,有効であることが報告されてきている。これらのインプラントは,使用目的が暫間的であるためか,生体組織との界面観察についての報告は極めて少なく不明な点が多い。 暫間インプラント/生体組織間を透過電子顕微鏡下で観察するためには,界面にダメージを与えずかつ目的箇所を明確にした試料を作製する必要がある。そこで本研究では,ラットの頸骨にチタン合金製の暫間インプラントを埋入して得られた標本を,イオン研磨法で断面試料を作製し,電界放射型走査電子顕微鏡(FE-SEM)で観察した後,Focused Ion Beam法を用いて,目的箇所を薄膜加工し,電子顕微鏡下で観察することによって,接合界面での様相を明らかとすることを目的とする。 平成23年度に得られた電界放射型走査電子顕微鏡(FE-SEM)下での試料観察の結果を基に,観察部位を特定し,ダイシング・ソーにて30μm程度の膜厚に切断,FIB/TEM兼用ホルダに固定し,FIB装置にてガリウム・イオンビーム・プローブにより目的箇所を薄膜加工して透過電子顕微鏡観察試料を作製した。現在、作製した試料をFE-SEMを用いて, TEM観察に近い倍率で高分解能観察を行っている。 また、近年純チタンやチタン合金に変わって、陽極酸化処理を施したTi6Al4Vインプラントが用いられる様になってきている。そこで本研究においても、研究の今後の発展性を考え、陽極酸化処理膜の表面を、本研究の手法を用いて、薄膜加工し,電子顕微鏡下で観察する。ナノレベルでの界面様相の違いを知ることは,新たな使用用途に応じたインプラント開発につながると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度に採取した試料は,固定,脱水,エポキシ樹脂包埋後,トリミングし,イオンスライサを用いて研磨,走査電子顕微鏡観察試料を作製。その後,電界放射型走査電子顕微鏡(FE-SEM)下での試料観察を行った。得られた電界放射型走査電子顕微鏡(FE-SEM)下での試料観察の結果を基に,観察部位が特定し,ダイシング・ソーにて30μm程度の膜厚に切断,FIB/TEM兼用ホルダに固定し,FIB装置にてガリウム・イオンビーム・プローブにより目的箇所を薄膜加工して透過電子顕微鏡観察試料を作製している。 現在、作製した試料をFE-SEMを用いて, TEM観察に近い倍率で高分解能観察が可能を行っている。これは当初の計画通りである。 また、陽極酸化処理を施したインプラント界面についても同手法を用いてFE-SEM下で観察している。
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Strategy for Future Research Activity |
インプラント合金と純チタンインプラントのインプラント/生体組織界面の違いを透過電子顕微鏡下で観察する。透過電子顕微鏡下で観察することが困難な場合は, FE-SEMを用いて, TEM観察に近い倍率で高分解能観察が可能を行う。さらに,暫間インプラントとして使用されているチタン合金のインプラント/生体組織界面を電子顕微鏡下で観察。純チタンインプラントの場合と比較検討した結果をとりまとめ,成果の発表を行う。 また、近年臨床上において、インプラントとして陽極酸化処理を施したインプラントが臨床上の成功例を背景として普及してきている。そこで、陽極酸化処理を施したインプラント界面についても観察を行うこととする。 チタン合金、純チタン、陽極酸化処理を施したインプラントのナノレベルでの界面様相の違いを知ることは,新たな使用用途に応じたインプラント開発につながると考えられる
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
引き続き、インプラント合金と純チタンインプラントのインプラント/生体組織界面の違いを透過電子顕微鏡下で観察する。透過電子顕微鏡下で観察するとともに, FE-SEMを用いて, TEM観察に近い倍率で高分解能観察が可能を行う。さらに,暫間インプラントとして使用されているチタン合金のインプラント/生体組織界面を電子顕微鏡下で観察。純チタンインプラントの場合と比較検討した結果をとりまとめ,成果の発表を行う。チタン合金と純チタンとの間のナノレベルでの界面様相の違いを知ることは,新たな使用用途に応じたインプラント開発につながると考えられる。 また、臨床上、インプラントとして表面処理を行っていないインプラントを用いることはほとんどなく、チタン製インプラントの表面処理として陽極酸化処理が一般的に用いられる様になってきている。そこで、陽極酸化処理したインプラント界面をFE-SEM下で観察することも本研究内に含め、今後の研究の発展につなげる。
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