2011 Fiscal Year Research-status Report
骨成長因子・骨補填材を用いた骨造成術における三次元的・病理組織学的検討
Project/Area Number |
23592891
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
西原 一秀 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (30253892)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 典史 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (60217875)
松山 孝司 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (40253900)
田松 裕一 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (80266569)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 骨成長因子 / 骨補填材 / 骨造成術 / コーンビームCT / CGF |
Research Abstract |
インプラント治療のための骨造成術は様々な骨成長因子・骨移植材を用いて行われているが、その骨移植による骨造成の治療効果は不明な点が多い。そこで本研究では骨成長因子・骨補填材・自家骨を用いてインプラント治療患者の骨造成を行い、骨造成術で得られた骨形態について歯科用コーンビームCTを用いて3次元的な経時的変化を分析するとともに造成された骨を病理組織学的に検討し、インプラント治療に有効な骨造成術の方法を解明することを目的とした。 骨形成には骨形成能を有する間葉系幹細胞、骨伝導能をもたらすscaffold、骨誘導能を有する骨形成蛋白が必要とされてきたが、最近ではそれらに加えて、毛細血管網fibrin netwarkが必要であると言われている。そこで、本研究では骨形成に必要なscaffoldと骨成長因子を持ち、fibrin netwarkを形成するとされている第二世代濃縮血小板concentrated growth factor、CGFに注目し研究を進めることとした。CGF作製は供血用遠心機MEDIFUGEを用いた。その結果、強固なfibrin netwarkを有したfibrin gelの作成が可能で、患者の血液から確実にCGFを生成することが確認された。従って、CGFは、本研究の骨成長因子として用いることが適切であると考えた。さらにラットの大腿骨に骨補填材を用いた骨造成モデルで骨造成率、骨補填材の残存率などの評価を行い、CGFを用いた骨造成でも同様の評価を行うことができることが確認された。 また、本研究を推進するに先立って鹿児島大学病院臨床研究倫理委員会に「濃厚血小板および人工骨補填材を用いた骨造成術における三次元的・病理組織学的検討」と題して申請を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究を推進するに先立って鹿児島大学病院臨床研究倫理委員会に「濃厚血小板および人工骨補填材を用いた骨造成術における三次元的・病理組織学的検討」と題して申請し、臨床研究を進めてた。 本研究で用いる予定の骨成長因子CGFの生成に問題がないことを確認し、患者への臨床応用を行う予定である。評価方法では、ラットの大腿骨を用いた骨造成モデルで骨占有率、骨補填材の残存を病理組織学的に評価し、免疫組織学的検索でもTRAP/ALPによる骨芽細胞、破骨細胞の存在を認めたため、本研究でも同様の仕方で評価可能であることが確認できた。次年度は症例数などを増加し、研究を推進していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、本研究を推進するためには骨造成を行う患者数の増大を図る必要があるため、多くの患者にCGFを用いた骨造成を行う予定である。本年度は科学研究費の採択後に倫理員会などの申請を行い、研究を開始したために、十分な患者数が得られずに、当初より対象が少なく、そのため補填材などの費用に余剰がでた。今後は、随時レントゲンや病理組織学的に骨造成の経過を評価し、CGFによる骨造成の効果が認められない場合には、TGF-βなどの成長因子を積極的に加えた骨成長因子の使用や骨補填材の変更などを検討して骨造成を行い。適切な骨造成術を模索する予定である。従って、本年度の研究費と併せて材料費などを使用する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は、骨造成を行った患者数の増大を図るために、CGF作製のための費用、種々の骨補填材の材料費などを予定している。また、病理組織学的、免疫組織学的検索のための資料作成、試薬、抗体等の購入費用、研究打ち合わせや学会参加、研究成果の発表などの旅費を予算として計上している。
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