2013 Fiscal Year Research-status Report
骨成長因子・骨補填材を用いた骨造成術における三次元的・病理組織学的検討
Project/Area Number |
23592891
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
西原 一秀 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (30253892)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 典史 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (60217875)
松山 孝司 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (40253900)
田松 裕一 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (80266569)
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Keywords | 第二世代濃縮血小板 / 骨補填剤 / 骨造成術 / 歯科用インプラント / CGF / 破骨細胞 / 骨芽細胞 |
Research Abstract |
【目的】本年度は、昨年度に当科でインプラント治療を希望した患者6名ならびに口唇口蓋裂治療で顎裂自家腸骨海綿骨術を行った患者3名とインプラント治療患者の内訳は上顎洞庭挙上術の骨造成術1例、外傷後の骨欠損部の骨造成術3例と、さらに、歯周疾患ならびに唇顎口蓋裂患者の骨欠損部の骨造成術1例について予後経過観察を行った。また、今年度は、新たに歯周新患にて骨欠損を認めた患者1名ならびにエナメル上皮腫術後の患者1名の骨移植術ならびインプラント埋入時に対してCGFを使用し、その使用効果を検討した。 【方法】患者の採血から供血用遠心機MEDIFUGEを用いて得られた第二世代濃縮血小板concentrated growth factor(以下、CGF)を作成し、CGF単材あるいは自家骨、骨補填剤と混和して用いた。 【結果ならびに考察】全症例で術中、術後にCGFによる重篤な合併症は見られず、本材は安全に使用できることが確認された。上顎洞庭挙上術症例で左側上顎臼歯部45678欠損部のインプラント埋入時にソケットリフトを行い、CGFを単独で用いた症例では、骨形成がレントゲンで確認され、術後1年経過したが、インプラント体の動揺もなく最終補綴物が装着されCGFの有用性が示唆された。また、外傷後の骨欠損症例では自家骨移植術に移植骨の同時に用いた症例では、術後6か月時の骨造成術部に再植手術を行ったがCGF単独では骨造成を認めなかった。しかし、エナメル上皮腫術後に骨移植術ならびインプラント埋入時にCGFを使用した症例ではβ-TCP顆粒とCBFを用いた結果、強固な骨形成を認めた。したがって、CGFは単剤より骨補填剤と同時に用いた方が良い結果が得られる可能性が示唆された。また、CGF使用例では軟組織の形成も良好で、軟組織治癒にCGFは有用であることが示唆された。今後、症例の長期的な検討を加える必要があると思われた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、これまでCGFを使用した患者の経過観察を行い、骨造成ならびに軟組織の治癒に良好な結果が見られた。しかし、予定した症例数が少なく、今後はCGFを使用する対象疾患および症例をやや拡大し、その使用効果を検討する必要があると思われた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は研究施設が変更となったが、これまでの対象患者の経過観察は研究分担者に依頼するために、継続的な研究環境は整備されている。 さらに、新たな施設での研究を推進するため、新施設の倫理委員会の提出ならびに新任の研究分担者の申請を行い、研究体制を整え、早期に研究を開始する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度は、対象患者数が予定していた症例数より少なかったために、備品などの使用が少なかったためと考えられる。 次年度は、今年度の予算と合わせて積極的に対象患者数を増大するとともに、最終年度のため学会報告や研究論文作成費用として使用する予定である。
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