2011 Fiscal Year Research-status Report
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23592900
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
岩佐 文則 昭和大学, 歯学部, 講師 (60297025)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 紫外線光触媒 |
Research Abstract |
新規開発の酸化チタンMicro-nano hybrid surfaceへの紫外線照射による光触媒効果を基礎研究から臨床応用へと展開するために、平成23年度はスパっターによる酸化チタン粒子の蒸着時間に比例して酸処理micropitサーフェイス上に形成されるnanonodulesの大きさ、主に0,100,200,300,400,500nmの直径サイズと紫外線による光触媒効果について実験した。実験項目として当初の予定通り1)表面エネルギー(超親水性)の解析 2)表面有機物の除去率の解析 3)紫外線の波長および照射時間の最適化の影響について検討した。その結果表面の超親水性への変化および表面有機物の分解に関してはnanonoduleの大きさとの間に統計学的有意差は見られなかった。しかし、紫外線の波長について365nmのUVA,および250nmのUVCを設定し検討したところ、表面の親水性化に関しては差がなかったものの有機物の分解についてはUVCの効果が高いことが分かった。以上より、micro-nano hybrid surfaceへの紫外線による光触媒効果は十分に酸化チタンのマイクロサーフェイスに対する効果と同様に有効であることが分かった。また光触媒効果のうち、表面の超親水性化に対してはUVA,UVCがともに効果を示したのに対し、表面有機物の分解への効果は低波長で高エネルギーのUVCがその効果が高いことが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度は当初の予定通り、酸化チタンのマイクロナノハイブリッドサーフェイスのnanonoduleの大きさが紫外線の光触媒効果に及ぼす影響をデータとすることができた。このデータをもとに今年度から生物学的検索に移りたいと考える。期間内に予定したすべての実験を終えるためには、早目に動物実験に取り掛かりたいが、細胞実験によるデータ次第では当初の目的はほぼ達成されるものと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きnanonodule100,300,500のサイズを生物学的(細胞)実験の評価を行う。酸化チタン(マイクロトポグラフィー)に紫外線を照射した一連の研究から、材料、備品、実験手技などすべてに精通している。そのため実験計画に不安はないが、念のため当初データが得られない場合を想定し、十分なサンプルディスクを準備した。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は各種アッセイ用のキットを購入する。しかしこれまでチタンならびに紫外線を照射を用いた一連の研究を行ってきており、材料、備品、実験機器などはすべて揃っている。そのため当初の予定通りの研究費使用計画を遂行できると思われる。
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