2011 Fiscal Year Research-status Report
言語と顎発育の充足と侵襲低減をめざした口唇口蓋裂治療体系の開発
Project/Area Number |
23592911
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
三古谷 忠 北海道大学, 大学病院, 准教授 (10181869)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 智子 北海道医療大学, 心理科学研究科, 教授 (60260907)
小山 明彦 北海道大学, 大学病院, 講師 (70374486)
佐藤 嘉晃 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (00250465)
須佐美 隆史 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (80179184)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 歯学 / 臨床 / 口唇口蓋裂 |
Research Abstract |
北海道大学病院高次口腔医療センターでは、言語と顎発育をともに充足させ、しかも手術侵襲をより低減させることをめざして、骨露出創をほとんどつくらない一期的な口蓋形成手術法と下顎外側皮質骨を用いた顎裂骨移植手術法で構成された治療プロトコールを考案した。本研究は、本治療プロトコールの有用性を検証するため、従来からの治療プロトコール症例を対照として用い言語ならびに顎発育の臨床成績を比較検討する。平成23年度は、北海道大学口腔外科において従来より施行してきたFurlow法を用いた二期的口蓋形成術法、これを改良して当センターにて考案した言語と顎発育をともに充足させ、手術侵襲をより低減させるべく骨露出創をほとんどつくらない一期的な口蓋形成手術法、北大形成外科にて施行してきた粘膜骨膜弁剥離によるpushback法を用いた一期的口蓋形成手術法、粘膜弁剥離によるpushback法を用いた一期的な口蓋形成手術法の4群間で、5歳時の歯列模型を用いて咬合状態の評価に着手した。咬合状態の評価法は、簡便かつ高い再現性をもち手術の方法や時期、術者の習熟度などの影響を評価でき、異なる治療法間や他施設間の比較を行う上で国際標準となりつつある5-Year-Old Index、Goslon Yardstick法にて行った。評価は4名で行い、3名は矯正歯科専門医でうち1名は外部評価者、1名は口腔外科専門医で、同一模型に対して日を替えて2回行った。評価者内および評価者間の一致については重み付けKappa 統計量にて検定し、一致度は良好な結果が得られた。4群間の有意差について検定中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究担当者に加えて琉球大学口腔外科の協力を仰ぐこととしたため、その調整と資料作成に時間を要したため、一同に会しての同時限での咬合評価実施が遅れて年度末近くになってしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度は咬合状態の評価を行ったが、その評価方法として5-Year-Old Index、Goslon Yardstick法を用いた。この方法は簡便かつ高い再現性をもち手術の方法や時期、術者の習熟度などの影響を評価でき、異なる治療法間や他施設間の比較を行う上で国際標準としてほぼ確立した手法であるが、5段階の評価であるため大まかすぎる点、前歯部の前後関係が評価に大きく反映されてcollapse程度があまり反映されないなどの欠点がある。そこで、それぞれ異なる治療法群である4群間において5歳時の咬合状態をより明確化して比較評価できるようにするため、新たな咬合評価法として上顎のcollapse程度を高い精度と再現性で評価できるHuddart/Bodenham法を用いた評価を行い検討する予定である。さらに、4群間での顎顔面形態を矯正治療開始時の側面頭部X線写真を用いて分析評価する。計測項目は世界的に用いられているMolstedらの方法に準ずるが、下顎の位置や上下顎の相対的前後的位置関係を十分に反映しないという点も鑑み、ANB, SNB等の分析項目を追加する
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
咬合評価結果を国際雑誌へ論文投稿するに際しての英文校正費北海道大学口腔外科において従来より施行してきたFurlow法を用いた二期的口蓋形成術法、これを改良して考案した言語と顎発育をともに充足させ、手術侵襲をより低減させるべく骨露出創をほとんどつくらない一期的な口蓋形成手術法、北大形成外科にて施行してきた粘膜骨膜弁剥離によるpushback法を用いた一期的口蓋形成手術法、粘膜弁剥離によるpushback法を用いた一期的な口蓋形成手術法の4群において、混合歯列期の咬合と顎顔面形態の分析に着手する。このため、新たに4群の歯列平行模型の調製と側面頭部X線写真の複製などの資料作成費用咬合評価は北海道大学、東京大学、琉球大学各施設の評価者が一同に会して同時に行う必要があるため、会場設営、資料の移送、評価者の会場への移動の諸経費咬合評価の実施が遅れたため未使用額が生じた。次年度において使用予定である。
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Research Products
(4 results)