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2012 Fiscal Year Research-status Report

サイトカイン療法と唾液腺機能再生療法によるシェーグレン症候群の新規治療法の開発

Research Project

Project/Area Number 23592925
Research InstitutionThe University of Tokushima

Principal Investigator

茂木 勝美  徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (20335805)

Keywordsシェーグレン症候群 / 唾液腺 / アクアポリン
Research Abstract

シェーグレン症候群は難治性の自己免疫疾患であり、現在までに根治的な治療法は開発されていない。本疾患の唾液腺においては、 炎症性細胞浸潤に伴う腺房構造の萎縮、破壊が生じる一方で導管構造は残存するという組織学的特徴がある。そこで、本疾患に対する 治療戦略として以下の方法を立案する。すなわち、唾液腺腺房の構造破壊による唾液分泌機能の改善法としては、(1)細胞の基底膜構 造の破壊の原因となっているTNF-αの発現を阻害する方法 、(2)腺房構造の破壊が進行し、腺房の再生が困難な場合には、残存する導 管細胞に AQP5を発現誘導させ、導管細胞に腺房細胞の機能を付与させる臓器再生の観点に立った治療法である。またAQP5の発現低下 つまり唾液腺自体の機能低下による唾液分泌低下の場合には、 (3)TNF-αを制御しAQP5の発現を維持させることによって、唾液分泌の 機能回復を目指す。このような治療戦略により、唾液分泌低下による口腔乾燥を根本的に改善させることを本研究の目的とする。 平成23年度はDNA脱メチル化剤であるデシタビンを、モデルマウスに投与し、唾液腺導管細胞におけるアクアポリン5の発現様式と その機能について解析した。
すなわち、MRL/lprマウスの腹腔内に デシタビンを投与した。投与濃度は未処理、2 mg/kgの2段階、投与間隔は週1回、週2回、週 3回の3グループに分けて4週間継続投与する。デシタビンの最終投与から2週目にマウスを塩酸ケタミンにて無痛的に屠殺し、唾液 腺を回収し、組織標本を作製した。未処理群と比較しシェーグレン症候群の組織学的特徴を解析したところ、検証した期間内において 組織学的な違いは認められなかった。しかし、デシタビン投与群においては、導管細胞でのアクアポリン5の発現が増強しており、マ ウスの唾液分泌量を有意に増加させた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成24年度に行った研究成果は、当初予定していた3つの研究目標、すたわち(1)細胞の基底膜構造の破壊の原因となっているTNF -αの発現を阻害する方法 、(2)腺房構造の破壊が進行し、腺房の再生が困難な場合には、残存する導管細胞に AQP5を発現誘導させ、 導管細胞に腺房細胞の機能を付与させる臓器再生の観点に立った治療法、(3) TNF-αを制御しAQP5の発現を維持させることによって、 唾液分泌の機能回復を目指す方法のうちの(1)の項目について解析を行い、デシタビンが唾液分泌増加に対して、有効であることを示 している。 研究期間は3年間を予定しており、2年目にそのうちの1項目について成果を挙げたことから、研究はおおむね順調に進展している と評価する。

Strategy for Future Research Activity

本年度はTNF-α中和抗体によりTNF-αの発現を制御し、AQP5の発現を維持させることにより唾液分泌の回復を促す研究をおこなう。モデルマウスを用いて解析を行う予定である。 すなわち、シェーグレン症候群モデルマウス(MRL/lpr)の腹腔内に TNF-αの中和抗体を投与する。投与濃度は未処理、3 mg, 5 mg, 10 mg/kgの4段階、投与間隔は週1回、週2回、週3回の3グループに分けて4週間継続投与する。中和抗体の最終投与から2週目に マウスを塩酸ケタミンにて無痛的に屠殺し、唾液腺を回収し、組織標本を作製する。未処理群と比較しシェーグレン症候群の組織学的 特徴を解析し、炎症性細胞浸潤や腺房構造の萎縮および破壊の程度をWhiteらの分類に従って評価する。その後、免疫組織学的解析に よりAQP5の局在と強さを検討する。なお、AQP5の発現の強さは、組織標本からmRNAや蛋白を回収し、リアルタイムRT-PCR法やウエス タンブロット法により定量的に評価する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

実験が順調にすすんだことにより、試薬の購入金額が当初予定していたものよりも少額で済んだため繰越金が発生した。次年度の研究においては上記の実験内容を予定しているが、動物実験の母集団を増やすために実験動物の購入や動物実験に用いる試薬の購入に充てる予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2012

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results)

  • [Journal Article] TNF-α inhibits aquaporin 5 expression in human salivary gland acinar cells via suppression of histone H4 acetylation.2012

    • Author(s)
      Yamamura Y
    • Journal Title

      J Cell Mol Med.

      Volume: 16 Pages: 1766-1775

    • DOI

      21973049

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] DNA demethylating agent decitabine increases AQP5 expression and restores salivary function.2012

    • Author(s)
      Yamamura Y
    • Journal Title

      J Dent Res.

      Volume: 91 Pages: 612-617

    • DOI

      22522773

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2014-07-24  

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