2011 Fiscal Year Research-status Report
ソフトコンピューティングによる口腔粘膜疾患診断支援システムの開発
Project/Area Number |
23592936
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
冨永 和宏 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (40188793)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土生 学 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (00360058)
大谷 泰志 福岡大学, 医学部, 助教 (90609504)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 口腔粘膜疾患 / ソフトコンピューティング / 診断支援 / 画像処理 |
Research Abstract |
口腔粘膜疾患の臨床診断は、日常的にこれを行っている専門医にはそれほど困難ではないが、機会の少ない一般臨床医には難しい場合も少なくない。粘膜疾患の診断には視診が重要なウェイトを占めるため、視覚的な情報だけでも専門医はある程度の判断を下すことができる。粘膜疾患には病態にばらつきがあるため従来型のコンピューターによる分類は困難であった。われわれは曖昧さを数学的に取り扱うソフトコンピューティングを用いることで、コンピューターによる疾患の分類に一定の成果を得ることができた。具体的には既存のカメラによる視覚情報を各種フィルターにかけ、開発したソフトウェアを用い、扁平苔癬の特徴的所見であるレース状白斑として認識できるかを検討した。タブレットコンピュータ上で専門医が手動で抽出したものと比較し、鑑別精度を検証した結果、約90%の識別率が得られ、ソフトコンピューティングを用いた粘膜疾患の特徴所見の鑑別が可能であることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
レース状白斑の鑑別には成功したが、顆粒状病変の鑑別などのための新規3次元構造解析カメラの開発が難航している。連携研究者などとの共同開発であり、両者の連携の取り方をさらに検討していく必要がある。さらに、既存カメラでの課題としてのガボールフィルタの開発とその適正化に必要な人材が他の研究機関に移動となり、共同開発のスピードが低下した。
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Strategy for Future Research Activity |
新規3次元構造解析用カメラの試作を行う。これは小型である必要があるので、撮像素子としてCMOSイメージセンサを利用する。使用目的、撮影場所への取り回しもあり、市販の基板の利用は不可能であるため、基板を自作し、更に制御回路を内蔵したFPGAを基板上に配置する。さらに、粘膜病変モデルを用いた分類実験:粘膜病変のモデルとして、実際の粘膜疾患そのものの型を採取し、それからシリコン材で凹凸のある3次元疾患モデルを作成する。それらから得られた画像を用いて、3次元的構造解析を行う。ここでは、まず既存のカメラを用いて、高出力ライト下で撮影した画像を使用する。カラー情報が存在しない状態における、3次元構造物のデータ化を行い、特徴の識別を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
新規3次元構造解析用カメラの試作のために、CMOSイメージセンサや各種小型ライト、制御基板などが必要となる。さらに、連携研究者だけでなく、研究分担者とも密に連携をとり、研究打ち合わせを行う。ガボールフィルタの開発の継続とその適正化、既存のカメラでの情報収集とその整理、解析精度の検証などに研究費を使用する。
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