2013 Fiscal Year Annual Research Report
ソフトコンピューティングによる口腔粘膜疾患診断支援システムの開発
Project/Area Number |
23592936
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
冨永 和宏 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (40188793)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土生 学 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (00360058)
大谷 泰志 福岡大学, 医学部, 助教 (90609504)
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Keywords | 口腔粘膜疾患 / ソフトコンピューティング / 診断支援 / 画像処理 |
Research Abstract |
臨床上重要である口腔癌,白板症および口腔扁平苔癬の3疾患を対象として,口腔外科専門医の診断方法をソフトモデル化し,各疾患を識別する方法を検討した。ばらつきや曖昧さを数学的に取り扱うソフトコンピューティングに注目し,複雑な事象の研究・モデル化・解析を行うファジイ理論による方法を用いることで専門医の診断方法をモデル化した。平成25年度は口腔扁平苔癬の診断をサポートするために赤みの評価を加えた。赤みの評価にはS画像を用い、輝度値平均の差を特徴とした。 H23年度より行ってきた白斑・顆粒状潰瘍・隆起の3つの評価に赤みの評価を加え口腔癌、白板症、扁平苔癬、正常粘膜の画像各30枚を診断プログラムにかけたところ正診率は、それぞれ87%(26/30)、83%(25/30)、87%(26/30)、57%(16/30)と結果を得た。口腔癌や白板症といった悪性度の高い疾患を口腔扁平苔癬や口腔内正常粘膜といった悪性度の低い疾患に誤診する偽陰性率は2%であった。 疾患のスクリーニングにおいて避けなければならないことは、口腔癌や白板症を悪性化する危険性の低い口腔扁平苔癬や口腔内正常粘膜と誤診する偽陰性率が高くなることである。今回偽陰性率は2%と低値を示している。各疾患群の大部分は比較的適正に鑑別されていたが,常部位の正診率は疾患群の正診率に比べ低かった。この原因は偽陰性が出難いようにリスクを考慮した条件設定を行ったことにある。また,誤診した口腔癌の画像についてだが,隆起属性が抽出できずに口腔扁平苔癬として診断されていた。今後サンプル数を増やすこと,条件設定をさらに詳細に検討することが必要ではあるが,本法が口腔粘膜疾患の診断支援システムとして活用できる可能性が示唆された。 3次元構造解析カメラの開発は、画像解析の点で難航しており、引き続き進める必要がある。
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