2013 Fiscal Year Annual Research Report
凍結切片を利用したiPS細胞の効率的分化誘導法および品質評価法の確立
Project/Area Number |
23592950
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
寺田 知加 鶴見大学, 歯学部, 学部助手 (40460216)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
里村 一人 鶴見大学, 歯学部, 教授 (80243715)
佐藤 徹 鶴見大学, 歯学部, 講師 (30170765)
徳山 麗子 鶴見大学, 歯学部, 助教 (20380090)
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Keywords | 再生医療 / iPS細胞 / 口腔粘膜由来iPS細胞 / 分化誘導 / 質の保証 |
Research Abstract |
現在めざましい進歩を続けるiPS細胞研究であるが、効率的で確実な分化誘導法の確立と樹立されたiPS細胞の質の評価法の確立は最も解決が待たれる問題点である。そこで本研究では、実際に再生を目指す組織・臓器の凍結切片上でiPS細胞を培養することで、それぞれの組織・臓器の機能細胞に最適な細胞外基質と分化因子を効率的かつ確実にiPS細胞に作用させることができる新たなiPS細胞の分化誘導法を確立するとともに、この方法を用いて、iPS細胞のクローン毎の分化能の違いを明らかにし、さまざまな組織・臓器の再生に利用できる最適なクローンの選別を検証することによる、新たなiPS細胞の質の評価法の確立を目指すことを目的に、昨年度までにヒト口腔粘膜由来iPS細胞の分化誘導について検討したところ、肝臓、脊髄および脳の凍結切片上で培養した口腔粘膜由来iPS細胞において、それぞれ肝細胞関連マーカー、神経系細胞関連マーカーの遺伝子およびタンパク質発現が誘導され、本方法により新たなiPS細胞分化誘導法の確立が可能であることが確認できた。さらに、他の組織由来、他の樹立方法のiPS細胞を用いて同様の分化誘導を試みたところ、口腔粘膜由来iPS細胞と同様に分化誘導が可能であり、さらに各iPS細胞間でその誘導効率に多少の差が認められたことから、本方法はiPS細胞の分化誘導に対する反応性の差の確認にも有用である可能性が示唆された。今後も方法法を用いてさらに誘導効率について確認するとともに、誘導メカニズムについても検討を進めていく予定である。
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Research Products
(6 results)