2011 Fiscal Year Research-status Report
延髄侵害受容システムの可塑的変化におけるグリア細胞機能の免疫組織化学的検討
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23592978
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
詫間 滋 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (60360921)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 三叉神経脊髄路核 / capsaicin / BDNF / ミクログリア |
Research Abstract |
研究実施計画に従い、まずi)対象群およびii)新生仔Capsaicin処理群の二群について標本を作成し、検討することとした。新生仔Capsaicin処理は、新生仔ラットに対して生後2日および3日にcapsaicin 50mg/kgをエーテル深麻酔下で頚背部皮下投与した。そして生後5ないし7日齢の幼若ラットそれぞれに対してエーテル深麻酔下に心臓からの灌流固定を行い、脳幹を摘出した。摘出した遊離脳幹はまず灌流に用いたのと同じ4%パラホルムアルデヒド・リン酸緩衝液に浸漬固定後、通法に従いパラフィン包埋ブロックを作成し、滑走式ミクロトームにより水平断スライスとした。 これら遊離脳幹の水平断スライス標本はそれぞれ、各スライスレベルにおける三叉神経脊髄路核を吻尾方向に含んでおり、一次求心線維から二次ニューロンへの情報伝達構造の解析に適していると思われた。そこで脊髄路核における侵害情報伝達の可塑性に重要な役割を果たしていると考えられるBDNF(脳由来神経栄養因子)、ならびにBDNF受容体(TrkB)を酵素抗体法を用いた免疫染色で観察し、これにミクログリア特異的抗体Iba1による免疫染色を加え、同一標本上での免疫組織化学的検討を試みた。しかしスライス毎の染色性が一定せず、群間比較を行うためには染色性の向上が必要と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
免疫組織化学的検討において免疫染色の結果が安定して得られない場合、群間比較により組織学的構造を解析することは困難である。現時点で免疫染色の結果が不十分である原因としては、各抗体の保存条件の問題、抗体希釈倍率が不適切、固定から包埋までの過程での技術的問題、標本作成過程における抗原性低下など、いくつかの問題が考えられる。従って考え得る個々の問題を修正し、まずは対象群において安定した免疫染色が得られることが必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
抗体の保存条件が必ずしも良好でない可能性があるため、他の試薬と混在することによる保存庫の開閉を避け-80℃での保存が可能な超低温槽を本研究費で購入し、抗体保存専用とした。抗体希釈条件は各抗体について再度見直し、適切な希釈倍率を検討する。また、パラフィン包埋切片は標本作成までの過程が煩雑であり、染色までの段階で標本に問題が生じる可能性が否定できない。標本作成での問題を検証し、必要に応じて抗原賦活処理を行うなど酵素抗体法による免疫染色を引き続き試みるが、より標本作成過程の単純な蛍光抗体法による検討を同時に進めることができるよう、本研究費で購入した蛍光画像解析システムLumina Visionの活用を準備する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
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