2013 Fiscal Year Annual Research Report
三次元立体培養歯根膜線維芽細胞を用いた加齢に伴う至適矯正力の解明
Project/Area Number |
23593011
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
金井 壮律 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (20344517)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 哲也 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (00451451)
飯田 順一郎 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (90151232)
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Keywords | 歯根膜繊維芽細胞 / 三次元立体培養 / 至適矯正力 |
Research Abstract |
矯正治療を行う時に使用する矯正力は年齢問わずほぼ同じシステムを用いて治療を行っている。しかし、加齢に伴い歯を支える支持組織の一つである歯根膜線維芽細胞は、老化と細胞死によって細胞数が減少し生理機能の低下が進んでいると考えられる。そこで今回、加齢に伴った種々の三次元立体培養歯根膜線維芽細胞を作成し、種々の矯正力を加え、効率的に破骨細胞を誘導できる至適矯正力を導き出す研究計画を構築した。 資料採得:矯正患者から便宜抜歯した歯より歯根膜を採取する。 三次元立体歯根膜繊維芽細胞の老化の指標である8-OHdGと骨免疫関連サイトカインの定量分析:1)採取した歯根膜の歯根膜繊維芽細胞を用いてφ5×3mm のコラーゲンスポンジ内で細胞培養を行い三次元立体歯根膜繊維芽細胞を作製する。2)作製した三次元立体歯根膜繊維芽細胞に種々の矯正力を加える。3)細胞を回収して、老化の指標である8-OHdGと破骨細胞誘導に関する骨免疫関連サイトカ インの発現を確認するため RANKL、TNF-α、IL1-β および OPG 特異抗体を用いて免疫染色を施し光学顕微鏡下にて観察を行う。4)8-OHdG、RANKL、TNF-α、IL-1β および OPG の mRNA 発現量を Real time PCR を用いて測定する。 結果および考察:三次元立体歯根膜繊維芽細胞において老化の指標である8-OHdGの違いは観察されなかったが、種々の矯正力を加えた時、骨免疫関連サイトカ インの発現増加が認められた。しかし、矯正力の増加に比例してサイトカ イン発現増加が認められたのではなく、三次元立体歯根膜繊維芽細胞を1/4圧泊した矯正力を加えた時にサイトカ イン発現のピークを認めた。作製した三次元立体歯根膜繊維芽細胞を歯根膜と考えるならば、歯根膜幅を1/4圧迫することが年齢問わず効率的な歯の移動を誘導できるものと考えられる。
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