2011 Fiscal Year Research-status Report
歯の移動と骨改造現象におけるWntシグナルと副甲状腺ホルモンの相互作用の解明
Project/Area Number |
23593016
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大久保 和美 東京大学, 保健・健康推進本部, 講師 (10396715)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長濱 浩平 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (60401361)
井口 隆人 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (80587775)
鄭 雄一 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30345053)
西條 英人 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (80372390)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 歯科矯正学 / 骨改造現象 |
Research Abstract |
本研究の目的は、骨形成作用を持つPTHシグナルとその受容体に結合するβカテニンとの相互作用による骨代謝調節機構を解明し、歯科矯正治療におけるその役割を明らかにすることである。そのために、(1)骨芽細胞におけるPTH受容体へのβカテニンの結合の確認とその部位の同定、(2)βカテニンによるPTHシグナル伝達調整機構の解析、(3)変異体βカテニンおよび変異体PTH受容体による骨芽細胞の増殖・分化への影響、(4)実験的歯の移動モデルを用いた、WntシグナルとPTHシグナルの相互作用に関する歯科矯正学的・分子生物学的評価 の4点を行う。H23年度は骨芽細胞におけるPTH受容体へのβカテニンの結合の確認とその部位の同定を行った。骨芽細胞株であるMC3T3E1細胞を用いて、(1)PTH刺激後、膜蛋白質を分離回収しPTH受容体特異的抗体およびβカテニン抗体を用いて免疫沈降法およびウェスタンブロッティング法により蛋白-蛋白結合を検討した。(2)ヒトPTH受容体にGFP(Green Fluorescence Protein)を結合させたコンストラクトおよびβカテニンにrhodamine蛋白を結合させたコンストラクトを組み込んだ発現ベクター(hPTH-GFP受容体、βカテニン-rho)を用いて、これらの発現ベクターを導入することにより蛍光顕微鏡で細胞膜上に緑色発色するPTH受容体、および赤色発色するβカテニンの発現を確認した。(3)C末端欠損型PTH受容体コンストラクトの作成を行った。C末端のアミノ酸から5アミノ酸ずつ欠失させGFPを結合させたC末端変異体-GFP受容体を作成し、発現ベクターに組み込んだ。これら変異体受容体をβカテニン-rhoを導入したC3H10T1/2細胞に同時に導入し、PTH刺激後に蛍光共焦点顕微鏡にてβカテニンとの結合を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請した、平成23年度の研究計画である、1.骨芽細胞におけるPTH受容体へのβカテニンの結合の確認とその部位の同定に関しては、予定通り実験を進め、新規な結果をえることができた。現在は、2.βカテニンによるPTHシグナル伝達調整機構の解析に着手し、検討を行っており、概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も、交付申請書に記載した通り、平成24年度の研究計画である、βカテニンによるPTHシグナル伝達調整機構の解析と変異体βカテニンおよび変異体PTH受容体による骨芽細胞の増殖・分化への影響について、実験を行い、評価・検討を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験動物であるβcatenin floxマウスや、実験試薬・備品等の購入、研究用消耗品の購入、必要に応じてソフトウエアの購入、学術集会における情報の収集および研究成果の発表、論文の作成などに使用する予定である。
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