2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23593033
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
釜崎 陽子 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (30253678)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西口 美由季 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (10253676)
山田 亜矢 東北大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (40295085)
藤原 卓 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (00228975)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 歯原性間葉細胞 / 糖脂質GM3 / 神経栄養因子NT-4 / TrkB-FL / TrkB-T1 / DSPP / d-PDMP |
Research Abstract |
歯原性間葉細胞における糖脂質GM3およびNT-4レセプターTrkB-FL,TrkB-T1の発現について 免疫染色によってGM3の発現を確認することができた。TrkB-FL,TrkB-T1の発現については、検索中であるが、現時点ではTrkB-T1の方が強く発現している事を確認している。歯原性間葉細胞におけるNT-4およびGM3の細胞増殖および分化に及ぼす影響について 細胞増殖能について、BrdU incorporation assayを行った。NT-4は歯原性間葉細胞の増殖能に抑制的に作用していることがわかった。またGM3を培地中に添加しておくことで、抑制効果はさらに有意となった。GM3単独でも細胞増殖の抑制効果は認められた。GM3の効果について検証するため、糖脂質の生合成を阻害する酵素d-PDMPの影響についても細胞増殖に対する影響を調べたが、これは著しく抑制的に作用していることが判明した。酵素d-PDMPは、セラミドからグルコシルセラミドへの生合成を阻害することによりGM3以外の糖脂質の生合成も全てを減少させると考えることから、細胞膜に存在する糖脂質全体が減少し、細胞活性そのものが低下することが考えられた。 分化誘導能に及ぼす影響について,RT-PCRにより分化マーカーとしてDSPPを用いた。NT-4は歯原性間葉細胞のDSPPの発現を上げ、GM3との共存によりその効果はより顕著となった。その作用機序を解析するためTrkB-FL,TrkB-T1の発現の変化について検索したところ、GM3の存在により増強した。このことからNT-4には、歯原性間葉細胞に対する分化誘導能があり、糖脂質GM3によりNT-4レセプターTrkB-FL,TrkB-T1の発現が増強され、結果としてNT-4からのシグナルが入力されやすくなり、NT-4のもつ分化誘導能が強くあらわれたことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
mDP cellにおけるNT-4レセプターTrkB-FL,TrkB-T1の発現について、免疫染色により検索中であるが、現時点では、有効画像が得られていない。23年度の研究費で蛍光顕微鏡画像を記録するためのカメラを新たに購入したが、購入機器の機種を再検討したことにより納品設置が遅れたことが、理由のひとつである。また、研究室の移転があり、その前後ではすべての研究が中断された。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画調書に沿って研究をすすめる。若干の遅れを生じているが、研究支援員による補助を取り入れることを検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
23年度も研究支援員の補助を取り入れる予定であったが,適切な人材が見つからず,その分の経費が次年度への使用予定研究費となった。また,そのことは研究の進行にも影響したとも考えられる。 また,震災の影響により共同研究を行なっている東北大学への研究打ち合わせがほとんど行なえず,旅費が未使用となり,次年度使用予定研究費となった。次年度はこれらを有効に活用し,研究を予定通りに推進して行く必要がある。
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Research Products
(1 results)