2011 Fiscal Year Research-status Report
食道粘膜刺激によるブラキシズム誘発機構の神経生理学的解明と治療法の開発
Project/Area Number |
23593035
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
上村 裕希 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (50464467)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮脇 正一 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (80295807)
八木 孝和 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (10346166)
大牟禮 治人 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (00404484)
友成 博 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (70398288)
吉田 礼子 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (60244258)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | ブラキシズム / 胃食道酸逆流 / ラット |
Research Abstract |
本研究の概要として、胃酸内容物逆流刺激動物モデルラットを作製、食道下部へ酸・ペプシン混合液、生理食塩水を注入し、咬筋筋活動を計測し、酸・ペプシン注入群と生理食塩水群、sham群において咬筋筋活動の頻度と持続時間を比較することとした。睡眠時ブラキシズムの発現機構は未だ解明されていないが、食道への胃内容物逆流がブラキシズムを誘発されることが疑われており、ヒトを対象とした介入研究においては食道下部への酸注入により睡眠時ブラキシズムが惹起されることが示唆された。この機構を明らかにするためには、ヒトを対象とした調査では限界があり、動物モデルを構築し、食道粘膜への化学物質刺激時に誘発されるブラキシズムについて神経生理学的に明らかにする必要があると考えられる。この発現機構が明らかになればブラキシズムの根本療法の確立につながるだけでなく、ブラキシズムと関連する二次的な疾患の予防に繋がる。ラット食道への化学物質刺激を直接行う必要があったため、ラット鼻腔から食道下部括約筋部へカテーテルを挿入した。さらに、食道下部括約筋部に同定したカテーテルが食餌などの日常活動によってずれないようにするため、カテーテルを鼻部皮下で結紮して固定した。同ラットに咀嚼筋筋活動をモニタリングするための電極を咬筋に設置し、食道下部へ酸・ペプシンによる刺激を与え、咬筋筋活動を記録することとした。刺激初日では暗期・明期ともに生理食塩水群やsham群と比較して酸・ペプシン刺激群で咬筋筋活動が高頻度・長時間認められた。2日目の明期では3群で差はなかったが、暗期では、酸・ペプシン刺激群のほうが生理食塩水群と比較して、咬筋筋活動が有意に高頻度・長時間認められた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
食道刺激ブラキシズムモデルラットの作製について、ラットへの麻酔後0.1mmのカテーテルを鼻腔から注入し、下部括約筋へ到達させ、同ラットへブラキシズム様運動同定の頭頂部のマイクロコネクターにろう着したステンレス線の咬筋への設置を行う。なおラットは行動観察BOX内を自由に動けることができる状態を保つ。このモデルラットを作製後、酸・ペプシン、生理食塩水を食道下部括約筋部へ注入し、咬筋活動を記録してそれぞれ比較した。その後、神経逆行性トレーサーを注入し、食道におけるFosタンパクの検討を予定していたが、神経逆行性トレーサーの注入を実施していない状況である。また、脳地図作製目的に、脳切片のHE染色を実施するも、組織切片がはがれてきれいに染まらなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
作製した動物モデルラットに神経逆行性トレーサーを注入し、化学物質刺激前後の食道におけるFG標識ニューロンの分布とFosタンパクの比較検討を行う。FG標識ニューロンが染色されない場合は、標識ニューロンの変更を検討する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験動物個体、実験器具(解剖用具)、咬筋筋電図作製のためのピンプラグ・コネクター(埋め込み用と誘導用)などの消耗品、麻酔剤等、主に動物実験用に使用する。
|