2012 Fiscal Year Research-status Report
口腔内感染度からみたビスフォスフォネート系製剤関連顎骨壊死の予防システムの構築
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23593058
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
畑中 加珠 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (50362992)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高柴 正悟 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (50226768)
山本 直史 岡山大学, 大学病院, 講師 (50432662)
山城 圭介 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (30581087)
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Keywords | 感染 / 顎骨壊死 |
Research Abstract |
岡山大学病院では平成22年4月より腫瘍センターに歯科衛生士が配置され、同センターを受診した患者を対象に面談を行ってきた。平成22年度に792件、23年度に1194件、24年度に1033件の面談を実施した。その中で、ビスフォスフォネート系製剤(BP)投与患者において、平成24年度新たに2件の顎骨壊死(ONJ)を見つけることができた。2件はいずれも侵襲的歯科治療後に生じたものではなく、重度歯周炎により歯牙の自然脱落後に骨露出を生じたケースと、適合不良の義歯が原因でできた口腔内粘膜の傷から波及したケースであった。 また、パイロットスタディとして、化学療法を行っている患者102名に対し、自己評価質問を行った。その結果、「摂食・嚥下・会話に支障がある」患者が40%、「粘膜の痛みがある」患者が25%、「歯の痛みがある」患者が25%存在することを確認した。さらに、インプラントのトラブルを有する患者も存在した。 以上の実態および結果を当院の化学療法部門会議で発表し、医科系の関連職種の人に情報提供を行った。 また、当院歯周科を受診した患者に対し口腔内細菌の感染度検査を行ったが、その検査値とONJおよび口腔粘膜病変の発症における関連性は明らかにならなかった。これまで、歯周炎をターゲットに実施してきた細菌の感染度検査であるが、口腔インプラント治療においても取り入れる研究を計画し、学会発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
岡山大学病院腫瘍センターを受診した患者の面談は継続して行っているものの、内科での使用薬剤の変更によって把握が困難になったケースがある。また、衛生士1名では1ヵ月に95件程度が限界であり、人的補充が必要となっている。 また、ONJ発症は非常に稀であるため、口腔細菌の感染度検査を含め各種歯科疾患検査とONJの統計学的解析は行き詰っている。同時に、化学療法中の患者は、積極的歯科治療が十分に行えないという理由から治療後の位置づけが難しく、当初予定していた歯科治療前後での各種検査の比較はできない状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、岡山大学腫瘍センターを受診し化学療法を行っている患者の面談を行い、口腔内の状況を把握し、患者やその家族のQOLを支援できるようにする。そして、がんの治療が支障なく継続できるようにする。 これまで蓄積された口腔細菌(歯周病原細菌)に対する血清IgG抗体価検査の結果を分析し、ONJだけでなく、口腔粘膜疾患やインプラント所有患者における特徴おを見い出し、それらの関連性を明らかにする。 随時、当院内外のカンファレンスなどで報告し、該当する医科系の診療科に情報提供し、その連携体制の見直しおよびよりよい体制の整備に働きがけていく。また、研究の成果を学術集会において広く公表する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
これまでの患者情報や臨床および検査データを整理する。そして、口腔細菌に対する血清IgG抗体価レベルによって層別化を行い、種々の口腔内トラブルとの関連性を検討する。 また、化学療法を行っている患者の口腔内トラブルを改善するべく、口腔衛生管理と疼痛緩和の実践を行うとともに、リスク調査を計画している。その調査によって患者および医療系従事者の口腔内への関心の向上を図ること、高リスクとなった患者がスムーズに歯科受診できるような連携体制を整えていくを目標としている。
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Research Products
(3 results)